辛いです、煉獄先生。【炎柱】

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煉獄side





たまたま見つけた煉獄家の書物に、”全集中の呼吸”というものがあった。

そのなかでも俺の家系では、”炎の呼吸”というものが、代々受け継がれてきたらしい。





「よもや、こんなものが存在したのか…」





父が昔から教えてくれていた攻撃の型は、
炎の呼吸の形であることが、
そのとき書物を読んで初めて分かった。





(では、この呼吸というものが習得出来れば、俺は父上のようにもっと強くなれるのではないか…！)




幼いながらにそう思いたった俺は、全集中の呼吸を俺にも教えていただきたいと、父に教えを乞うたが_。







槇「…全集中の呼吸…か。それだけは駄目だ。どうしても教えられない」




と断られてしまった。




__しかし、それでも諦められなかった俺は、大正時代に書かれたとされる書物を読みこみ、鍛錬を続け、自力で炎の呼吸を習得した。





(…とはいえ、まだ”常中”と呼ばれる、全集中の呼吸を四六時中やるというものは未だ出来ていないが。)



俺は、もう一度姿勢を整え、火宮の位置を確認する。




(今出せる全力で立ち向かうというのなら、
即ち、それは呼吸をも使うということになる。)




___しかし、彼女が全集中の呼吸に耐えられるだろうか。



そんな疑問が俺の中に浮かんだが、
意外にもそれは直ぐに消えていった。




『___！』



火宮の真剣な表情を見て、

どうしてだか分からないが…
不思議と彼女なら大丈夫だ、という確信を得たのだ。



まるで、過去に大丈夫だった経験があるかのように___。









呼吸を整え、ゆっくりと息を吸い、構える。



"____全集中_炎の呼吸___

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