辛いです、煉獄先生。【炎柱】

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Aside



炭「いらっしゃいませ！！」


久しぶりに見た彼は、昔と変わらず笑顔が明るい少年だった。

とはいえ、昔と今では、違うことも沢山ある。




六「兄ちゃん〜、遊ぼうよ〜！」

炭「今、お客さんが来たからちょっとまっててくれ〜！」



例えば、彼に家族がいること。
思い返せば、彼の話にはよく家族が登場していた。



____俺、六太っていう小さい弟がいたんです__

__花子は、可愛いものが大好きで、とてもお洒落な子だったんですよ!_____




花「お兄ちゃん宿題教えて〜！」

炭「ああ！後でちゃんと兄ちゃんが教えてあげるから待っててくれ！」




(もう、家族の話を過去形で話さなくてもいいんだね。

炭治郎君、頑張ったね。)




幸せそうな彼の姿を見て目が潤む。

君達の手で勝ち取った幸せだもの。全力で楽しんで欲しい。


(…あ〜あ、私まで幸せになってしまう…。竈門パワー、恐るべし。)



こういう光景を見ると、平和になって良かったとつくづく思う。




私はトングを手に取り、美味しそうなパンを丁寧にトレーにのせていった。

(あ、レーズンパンがある…。)

あとひとつしかないし、美味しそうだからこれも買おうとトングを近づけると、

サッと取り下げられ、焼きたてのレーズンパンに変わった。



『あっ』

行き場のない手を取り敢えず引っ込めて顔を上げると、
可愛らしいウェーブのかかった髪の女の子がレーズンパンの入った籠を抱えている。


禰「あ、すみません…!!
これ、こちらの方が焼き立てで美味しいと思うので、ぜひ！」


天使のような微笑みで笑いかけてくる彼女を見て、
我慢していた口が思わず開いてしまった。

『ね…………
禰豆子ちゃん！！？？』





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2020/11/16
作者です。評価100超え、お気に入り300超えの数字を見て、お茶を吹き出しました。バクだとしても嬉しいです。ありがとうございます！

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