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Aside


宇「お前、竈門ベーカリーって知ってるか?」


私は体育座りをしながら、宇髄先生の問に答える。


『え、知らないです。え?竈門ってもしかし』

宇「取り敢えずそこに行ってみろ。場所は学校出てしばらく歩いたらある横断歩道を渡った先だ。
今日の帰りにでも寄ってみるんだな」

そう言うと、宇髄先生は噛み続けていた風船ガムを膨らませた。


『わ、かりました。あの、炭治郎君は覚え』

宇「炭治郎と禰豆子はド派手に覚えてやがるぜ。他の家族は覚えてねぇみたいだから言うんじゃねーぞ」

ああ、割れちった。なんて言いながら、
彼は壁に向かって味のしなくなったガムをペッと吐き出した。

…なんでこの人は私の話を遮るんだ。というか壁に張り付いたガムはどうするんだ。


…いや、大正時代から、こういう人だったな。そういえば。



呆れつつも、教えてくれたことは嬉しいので御礼を言う。



『なるほど…分かりました!ありがとうございます!
帰りに寄ってみます!!』

宇「6:30閉店だから寄るなら急いだ方がいいぞ」

『はいっ!!』


______


「これで今日のホームルームを終わりにする!日直の〜、後藤!挨拶を頼む!」

後藤「起立ー、礼ー、」

「「「さようなら〜」」」

「うむ!さようなら!」


煉獄先生の清々しい挨拶に名残惜しさを感じつつも、
私はスクールバッグを肩にかけて教室を飛び出した。


(煉獄先生、本日の掃除、手伝いができず、
申し訳ありません!!)

1人で掃除を始める先生を見てとてつもない罪悪感で押し潰されそうになるが、
仕方が無い。

宇髄先生の急げと言う言葉を思い出しながら、
帰宅途中の足を早めた。


信号が青に変わるのを確認し、早足で横断歩道を渡る。






( あ!あれだ!!)


香ばしいパンの香りと共に、あの元気のいい挨拶が聞こえてくる。



あの、真っ直ぐで石頭の少年に、久しぶりに会えることに高鳴る胸を抑えつつ、
私は店のドアを開けた。


チリンチリン、と可愛い鈴が鳴る音がきこえると、
仏のような微笑みが、私のことを包み込む。









炭「____いらっしゃいませ!!___」

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ひなた(プロフ) - コメント失礼します。語彙力がすごい上にとても話が面白いのでこの作品推しますよ!この作品大好きです。 (2023年1月10日 15時) (レス) @page9 id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
靈菜(プロフ) - コメント失礼します!ほぼ毎日読ませて頂いてます!話の構成がとても上手ですごく憧れてます!どのような感じで考えているのか、良ければぜひ教えて下さい! (2021年10月2日 22時) (レス) @page2 id: b6a4af0785 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひかるさん» 合掌…!!?こちらこそ朝早く読んでくださって本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2020年11月29日 8時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 朝から震えが止まりません・・・!更新ありがとうございます!(合掌) (2020年11月29日 8時) (レス) id: e49f586e8e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆず@yuzuさん» そんな、感情移入してくださっていたなんて…光栄です…(泣)はい!更新頑張らせていただきます!これからもぜひよろしくお願いいたします! (2020年11月28日 13時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅 | 作成日時:2020年11月15日 9時

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