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『潔の好きな人ってあの茶髪のフリルの子でしょ?』




「!あぁ……えてかなんで知って」





『この前飲んだ時に言ってた』




「記憶にございません」




『あんただって彼氏持ちだったじゃん』




「はぁ……そうなんだよな。しかも彼氏俺の友達だし」




『え友達なの!?』




これはびっくりだ。潔と凛が友達だなんて。凛は絶対友達って言わなそうだな。潔の片思いだね。




「お前ぜってぇ失礼なこと考えてただろ」




『ソンナコトナイデス』




「バレバレだあほ!!」



私は凛の名前は伏せてざっと内容を話した。凛の名前を出したら彼はきっと怒って悲しんで泣いちゃうんじゃないか。それに凛の立場なんてなくなってしまうじゃなイカ。


凛はクズだ。まぁ彼女がいながら私と関係を持っているんだから。彼女さんも凛じゃなくて潔にすればいいのに。そしたら凛は私が貰うからさ。


そんなことできないけどね。




『ねぇ潔……』




「ん?なんだ?」




『私略奪愛も素敵だと思うの。奪い取ってまで欲して素敵じゃない?』




「何言ってんだよ」





彼はハハッと笑って酒を煽る。




『あんたエゴイストなんでしょ?サッカー以外はエゴなんてないただの良い子ちゃんになんの?』







「いや…それは、」





『ねぇ潔………糸師 凛は他にも女いるんじゃない?』






「お前!言っていいことと悪いことが!!」





潔は言葉を途中でやめてこちらを見て目を丸く大きくしていた。きっと気づいた。私と凛との関係に。言うつもりなんてなかった。
でも彼の話を聞いていたら応援したくなった。幸せになって欲しい。そう思った。
それにきっと彼は──





「A……お前もしかして好きな人って」











私は微笑んで彼の口に指で作ったばってんを持っていった。






『言わないで?』








「……お、れ、どうしたらいいか、」





『私さ。潔に幸せになって欲しいの。私みたいなクズとは違ってさ。あんた良い奴だから。
だからあんたはあの子を救うと思ってアタックして?ね?』





「っ!でもお前は、」






『私は多分彼と一緒にはなれない。でもそんなのしょうがないの。許されないようなことをしちゃったんだもん。仕方ない。……それに相手が糸師 凛だなんて一言も言ってないでしょ





ほら飲みなさい!!』




追加で頼んだ酒を潔に飲ませる。





彼は酒にあまり強くない。




きっと明日には重要な話も忘れているんだろう。

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作者名:macaron | 作成日時:2023年4月2日 21時

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