147 - 高3 夏休み ページ8
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気が付けば夏休みに入り、日が経っていた。
今日は紗奈と2人きりで、受験勉強の合間の休息ということで買い物に来ていた。
紗奈「来週の花火大会のことなんだけどさ〜、」
アイスクリーム屋で寛いでいた私達。話すことに夢中でどろどろに溶けていくアイス。
去年はばらばらだったけど、今年はいつもの5人を誘ったら全員一緒に行けることになった。
紗奈「A、どうせ浴衣持ってないでしょ?買いに行こうよ!」
「え…えぇ〜いいよ、子供じゃないんだから」
浴衣なんて小学校の時以来着てないと思う…。
紗奈「は?何言ってんの?子供じゃなくても浴衣着ますから。ていうか今まさに浴衣着るべきお年頃でしょ!」
どうしても私に浴衣が着せたい紗奈。中学の頃からお祭りに行く約束をする度にしつこく言われるから断り文句も定番化していて…
「紗奈が着るならいいよ」
紗奈「だから絶対嫌だってば。動き辛そうだし歩くと疲れそうだし暑そうだし…」
そもそも夏期講習とかで忙しくてクタクタなのに、呑気に浴衣着て花火大会なんて…高校3年生にもなってどうなの?
浴衣がいかに面倒なのかを力説している紗奈。
へそ出しルックに短パンというアイスクリーム屋の中では寒そうな格好をしている。
紗奈「いや……やっぱり着よっか…」
突然何か閃いたような顔で私を見た。
紗奈「私も今年は着るから、今から買いに行くよ!!」
ー
紗奈が着るというからなんだか断れなくなってしまい、人生で初めて浴衣を買ってしまった。
紗奈「着付けもヘアセットもちゃんと美容院でやってもらわないとね〜」
なんにも分からない私に、紗奈先生が浴衣をトータルコーディネートしてくれて、美容院まで予約してくれようとしている。
「じゃあ一緒の美容院を予約しようよ」
紗奈「え……あ〜…ん〜仕方ないな…そうするか」
何故かすごく嫌そうな顔をしたけど、渋々了承してくれた。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年8月19日 20時