144 - 高2 Valentine ページ5
.
〜♪
メッセージ受信音
大ちゃんの胸ポケットに入っていたスマホがけたたましく鳴った。
画面を確認した直後、怪訝そうに眉間にしわを寄せた。
大貴「げぇ……ごめん部活行かなきゃ。チョコありがと」
スマホから私に視線を移すと急に優しい表情に戻った。
私の頭に手を置いてゆっくり撫でた。
大ちゃんの服の裾をまだ掴んでいたことに気付いて慌てて離した。
「だ…大ちゃん…あの……」
…大好き
なんてまた伝えたらダメだよね。
言っても困らせるだけ。
大貴「なに…？」
なかなか言葉を発しない私をじっと待ってくれる。
〜♪
着信音
急かすかのようにまた鳴りだすスマホ。
大貴「…うっせーな。分かってるわ」
その電話に出ずにスマホをポケットにしまう大ちゃん。また私に視線を戻した。
好きだよって言いたい…でも言ったらダメだから…
葛藤のせいで言葉が見つからない私。
大ちゃんは私が何を言おうとしていたのか分かってたのかな…
小さく呟いた。
大貴「……また今度……いや…いつか…聞かせて」
「へ？」
大貴「あぁ〜遅れたら知念に怒られる！じゃ、気をつけて帰れよ〜！」
大量のチョコ達を担いで走って行ってしまった。
「…」
好きでいちゃダメ…て言ったじゃん…
こうやって心を掻き乱すようなことばっかりしてくる。
勘違いしちゃうよ…
本当は………私のこと好きなのかなって。
そんなこと……ないんでしょ？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
