161 - 高3 ページ22
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居酒屋の外に出て、建物の脇道で泣いていた。
大貴「…Aどうした？アルバム見てたら寂しくなっちゃった？」
あんな形で個室から出ていったら当然心配するよね…。
すぐに追いかけて来た大ちゃんに見つかってしまい、渋々涙を拭って顔を向けた。
「3人でずっと一緒にいたかった…」
どうしようもない現実に打ちのめされそう。
本当の家族ですら、いずれ引越や結婚など人生のイベントで家を出て離れ離れになるのに…私達が一生傍にいるなんてあり得ないことなんだ。
分かってるけど…まだ現実を受け止められなくて心が苦しい…。
私が感傷に浸ってボロボロ泣いているのを、温かい目で見守ってくれている大ちゃん。
大貴「そんな泣くなよ…一生分泣く気か？」
ふふっ、と白い歯を見せて優しく笑う大ちゃんを見て心臓がドキドキとうるさくなる。
もうこの胸の高鳴りも感じられなくなるんだよね。
「大ちゃん、キスしたい。…お願い……もう絶対しないから」
キスしている瞬間だけはお互いが本当に想い合っているような……そんな錯覚を感じるから。
薄暗がりの中でも大ちゃんの表情が急に暗くなったのに気付いた。
私から視線を外して唇を噛み締めるような表情になる。
嫌だよね…幼馴染にこんな迫られ方されたら…。
大貴「…ちょっとだけだよ？」
そう言って私の頬に手を添えてそっと唇同士を触れさせた。
「ん………」
…
唇の表面だけ触れるようなキスが続く。
…
足りない…。
もっと…もっといっぱい…
息も忘れるくらいして欲しいのに…。
少しだけ勇気を振り絞る…
舌を出して、軽く触れるだけの彼の厚い唇を控えめに舐めてみた。
大貴「っ！、こら…」
驚いた様子で私から勢いよく顔を離した大ちゃん。
目を閉じて大きく深呼吸してから私を睨みつけた。
大貴「どこでそんなの…覚えたんだよ…」
急にお兄ちゃんぶった口調になるから反抗したくなる私…
「あなたから教わったんですけど…」
恥ずかしくて上目遣いで睨みつけたら、大ちゃんはまた面食らったような顔になる。
言葉に詰まった様子で口元を手で覆った。
「なんだ…それ………ばか…」
夜だから見辛いけど顔が一気に赤くなったように見えた。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
