043 - やっぱり貴方のことが… ページ44
.
最近お母さんからの頼みごとが多い気がする。しかもどれも大ちゃんが絡む内容。
今日は大ちゃんに借りたものを返しておいて欲しいと言われた。
彼女のお姉ちゃんに頼めばいいのに、お姉ちゃんは頑なにに引き受けない。
水曜日は特に受ける講義が無いから大学に来ない大ちゃん。そんな彼の予定を知っている自分がちょっと気持ち悪い。
私は午後の講義が無いから、家まで届けてあげようかな。
マンションに向かう途中で気が付いた。
あ、連絡してない。突然行ったらびっくりするよね。いない可能性もある。
大貴「…もしもし？どうした？」
スマホ越しに耳元で聞こえる大ちゃんの声にド○○キした。
“早く会いたい”
…なんて思っちゃダメなのに。これから彼に会えるんだと思うと気持ちが浮かれてしまう。
「あ……えっとぉ、通帳と印鑑をお母さんから預かってるんだけど渡したくて」
何故お母さんが大ちゃんの通帳と印鑑を持ってるのか分からない。施設にいる彼のおばあちゃんが関わってるのかもしれない。
大貴「だあぁ〜！！そうだったぁあ〜！！」
凄い音量で突然叫んだから思わずスマホから耳を離した。
「……え？なに？」
電話の向こうでも「なに？どうした？」て人の声がした。
大貴「今日窓口閉まる前に銀行行かなきゃ。Aは今どこにいんの？」
「大ちゃんの家の近くまで来たよ」
大貴「あ…ごめん。俺出掛けてんの。急いで帰るけど時間かかるから……ポスト入れといてもらっていい？」
……じゃあ会えないんだ。
萎んでいく気持ちを声色に出さないように……スマホを握っていた手に力が入る。
「そ……そっか！了解！じゃあ入れとくね〜」
大貴「あ〜！A！！」
通話の終了ボタンを押そうとしたら呼び止められた。
大貴「……ありがと。講義とかバイトとか…俺より忙しいのにわざわざ近くまで来てくれたんだよな」
胸がグッと締め付けられた。
大ちゃんは……こういうちょっとした気遣いや心遣いに敏感に気が付いて、お礼言ったり褒めてくれたりするよね。
普通ならわざわざ口に出さないこともしっかり伝えてくれる。
そんなところに彼の優しさと人柄が滲み出てる。
好き……
私はこの人が好きでしょうがない。
「大ちゃん……」
大貴「ん？」
「大好き……大ちゃんがやっぱり好き」
大貴「っ、………」
.
044 - 無かったことにしよう→←042 - 筒抜け - Daiki side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち(プロフ) - くれはさん» コメント有難う御座います。涙出そうなくらい嬉して執筆の励みになります！今後も楽しんで頂けるような作品を書けるように頑張ります(^ ^) (2019年9月8日 1時) (
レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 「雲の切れ間から」からもちもちさんの作品を読んでいます。もちもちさんが描く世界観や設定が本当に大好きで夢中になって読んでいます。これからも応援しています！ (2019年9月8日 1時) (レス) id: 2527cc3178 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - りおさん» 18歳未満の方にも楽しんで頂けるように意図的にページを分離している為、それを避けたいのです。作者都合で申し訳ありません。 ですが表示されず見れないのは悲しいです。マイページのR18コンテンツフィルタの設定はされてますか？ (2019年9月5日 5時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - りおさん» コメント有難う御座います、大変嬉しいです。長文失礼します。 大人編へのリンクですが、貼りたい気持ちは山々ですが、占ツクのルール上、当ページも年齢制限ページに設定しなければならなくなります。 (2019年9月5日 5時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - こんばんわ。いつも楽しんで読ませて頂いています(^^) 大人編が表示されないのですが次の更新の時で構いませんのでよければリンクを貼って頂きたいです(TT) (2019年9月5日 2時) (レス) id: ee188c657b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年9月1日 11時
