012 - 面倒なのは嫌い - ？side ページ13
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？side
オーナーに頼まれて買いに行った花束。
店に飾る花にこだわるなんて女性のオーナーらしいな……なんて考えながらそれを花瓶に入れる。
雨が酷かったから包装紙はびしょ濡れ。僕自身もカッパを着ていたのに濡れちゃった。
繊細な薄青色の花。その花詞は……
「『私を忘れないで』…か」
毎回店頭に飾る花にはその花詞が書かれたプレートを添えている。書かれている言葉を読んで鳥肌が立った。
「うわ……未練たらしい言葉……」
僕はこんなこと言うタイプの女性は嫌い。
店に立っていると言われること多いけど、いちいち覚えてるわけないでしょ。
僕達が何人の女性を相手してると思ってんの。
アルバイト先のスタッフルームで花を見つめていたら、騒がしく部屋になだれ込んできた奴ら。
黒いスーツを着た男「ぐあぁ〜。すげぇ雨だったぁ〜」
グレーのカッパを着た男「ははは、大ちゃん馬鹿でしょ？その格好のまま来るとか…」
“大ちゃん”と呼ばれた黒いスーツを着た男。
彼の名前は有 岡 大貴。僕の2つ年上だけど大学は違うので先輩だなんて思っていない。
大貴「いや、なんか寝惚けててさ。家帰ったらくったくたで寝ちゃって。山田は？大学の帰り、雨やばくなかった？」
大貴に“山田”と呼ばれたグレーのカッパを着た男。
彼の名前は山田 涼介。僕と同じ学年だけど彼も大貴と同じ大学なので僕とは別。
涼介「なぁ、今日店開けなくて良くない？この雨じゃ客来ないよ」
「僕に言われても……オーナーに言ってよ」
花瓶を持って部屋を出ようとすると大貴が寄ってきた
大貴「それってワスレナグサだよね」
びしょびしょになったジャケットを脱いで、花瓶の花を見つめた。
「そう、正解。大貴が花に興味持つなんて意外」
大貴「この花は……特別」
「なに？卒業式かなんかで貰った？」
言い終わってすぐに後悔した。僕にしては珍しく余計なこと言った。
涼介「…………」
いつもこの手のやり取りにうるさく首を突っ込んでくる涼介が神妙な面持ちで大貴の様子を伺ってる。
大貴「いや……」
「あ、話さなくていい…どうでもいいから」
濁されたのでそれ以上追及しない。
この店で働いているやつにまともな人間はいない。
面倒な話に巻き込まれるのは御免だ。
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もちもち(プロフ) - くれはさん» コメント有難う御座います。涙出そうなくらい嬉して執筆の励みになります！今後も楽しんで頂けるような作品を書けるように頑張ります(^ ^) (2019年9月8日 1時) (
レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 「雲の切れ間から」からもちもちさんの作品を読んでいます。もちもちさんが描く世界観や設定が本当に大好きで夢中になって読んでいます。これからも応援しています！ (2019年9月8日 1時) (レス) id: 2527cc3178 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - りおさん» 18歳未満の方にも楽しんで頂けるように意図的にページを分離している為、それを避けたいのです。作者都合で申し訳ありません。 ですが表示されず見れないのは悲しいです。マイページのR18コンテンツフィルタの設定はされてますか？ (2019年9月5日 5時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - りおさん» コメント有難う御座います、大変嬉しいです。長文失礼します。 大人編へのリンクですが、貼りたい気持ちは山々ですが、占ツクのルール上、当ページも年齢制限ページに設定しなければならなくなります。 (2019年9月5日 5時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - こんばんわ。いつも楽しんで読ませて頂いています(^^) 大人編が表示されないのですが次の更新の時で構いませんのでよければリンクを貼って頂きたいです(TT) (2019年9月5日 2時) (レス) id: ee188c657b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年9月1日 11時
