始まりを君に 4th - Daiki.A

156 - 待ちに待った時 - 侑 李side ページ10

.



- 侑 李side



涼介を呼んで一旦皆の傍から離れた。



サービスエリアの建物の外へ出ると、『タバコ吸ってい？」って涼介が端っこにある喫煙所を指差したので渋々そちらに向かう。



「雄也から電話があったんだ。 昨晩が第一報でその後はメールで進捗を教えてもらってた……」


涼介「うん……、で？」



喫煙所に着いてないのに、早く吸いたいみたいで咥えタバコで僕の話を聞いている涼介。



これからするのは大事な話なのに……



涼介「なんかあった？」


「戸ヶ崎が亜里咲ちゃんに漏らしてた情報………嘘じゃなかった」









僕の口からその男の名前を聞いた瞬間、涼介の目の色が変わった喫煙所に向けていた視線をバッと勢いよく僕に向けて、咥えていたタバコも『邪魔だ』と言わんばかりに口から外した。









涼介「はっ……？！」


「僕達が旅行行ってる間、雄也が例の場所を張り込みしてくれてて………昨日の夕方、戸ヶ崎が例の店に入るの目撃して、今さっき出てきて……尾行してる、って連絡きた」


涼介「尾行……、雄也が危ないんじゃ…」


「ここから都内に急いで戻っても50分はかかる……、でも急いで向かった方がいいと思う」



雄也はほんといい奴だけど、かなり抜けているから。



ヘマして尾行に気付かれたり、奴らに逆に待ち伏せされて捕まったりして万が一のことがあったらまずい。



まぁ戸ヶ崎の立場上、そんな過激なことを突然してくるとは思えないんだけど……



涼介「俺も行く。 でもAちゃん達は……」


「大貴に送り届けてもらう。 途中で降ろしてもらって雄也と合流する」




くそ……なんで車2台にしなかったんだ。
一刻も早く向かいたいのに。



.

157 - 今すぐ向かいたい - 侑 李side→←155 - 大事な電話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す