190 - 駅に着けばお別れ ページ45
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スマホから大貴くんの連絡先やLINEのやりとりが消されて返ってきた。
「この先も好きでいていい……?」
3人でカフェを出て混み合う駅前の通りを歩きながら、横を歩く彼にボソッと尋ねた。
侑李くんは私達の前を歩いてて時折人混みで離れ過ぎていないかこちらを確認しながら駅の方向へ歩いて行く。
大貴「いいよ」
「いいの…?」
ダメって言われると思ったからその返答に驚きつつ、さっきまで我慢してた涙がじわりと溢れてきた。
泣いたら2人を困らせるだろうし、侑李くんに話を切り上げられても嫌だと思ってずっと堪えてて…
「うっ…、うぅ…」
人がごった返す大通りの横断歩道の前。
赤信号で辺りには多くの人が密集してるけど、誰も私が泣いてることなんか気付かない…ただ1人を除いて。
溢れた涙を手で拭いながら俯いていたら、頭を優しく撫でられた。
顔を上げたら大貴くんがいつも向けてくれてた優しい表情になってて、カフェで別れを告げられたのが嘘みたい。
これも、この状況をやり過ごす為の彼のテクニックなのかな。
大貴「最初は適当にきっかけ作って近付いたけど、騙すつもりはなかったんだ」
「うん……?」
大貴「俺がAのこと…ーーー」
「え?」
真後ろにいた人達が盛り上がって騒がしくなったせいで彼の声が聞き取れなくて、訊き返そうとしたら信号が変わったらしくて、周りの人が一斉に動き出した。
「えっ、待って、ねぇ、途中聞こえなかった…!」
大貴くんの腕を引っ張ってもう一度聞こうとしたのに、そのまま彼は『こら、転ぶぞ』って私を注意しながら歩き始めた。
「聞こえなかった…」
大通りを横断する歩道は長くて様々な方向から人が歩いてくるからぶつかりそうになりながら大貴くんの斜め後ろを力無く歩いていた。
改札を通ったらもうお別れ……?
「大貴くん、二度と会えないの…?」
周りがうるさいけど流石にこの距離なら聞こえてるはずなのに。
答えてくれない。
もう横断歩道を渡りきってしまいそう。駅はすぐそこだ。
本当におしまい……?
「寂しいよ……っ、」
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もちもち(プロフ) - 有岡担さん» 『雲の切れ間から』シリーズで題名あってますよ♪ 続編の方に感想コメント下さった方ですよね^ ^ 有難う御座います、頑張ります! (2020年6月24日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 雲の切れ間からというお話から読んでます!題名あってますか…?間違ってたら申し訳ないです!大人編も読みました。どちらも面白かったです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください。 (2020年6月24日 2時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - なーさん» ありがとうございます!大丈夫です♪ ぜひフォローしてやって下さい^_^ (2020年6月23日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
なー - 最近読み始めました!Twitterは鍵垢(閲覧用)のアカウントでも、フォローしてもいいでしょうか? (2020年6月22日 19時) (レス) id: 6d51b7543f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年5月22日 23時