189 - 好きになっちゃいけない人 ページ44
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会えなくて辛いことや寂しいこともあったけど、心の底から幸せだった。
彼が好き。大好き。
私のことを大切にしてくれた。
彼からも大切にされてると………思ってた。
恋人だと……思ってた。
「私だけだったんだ……本気で好きだったのは」
大貴「ごめんな、A。 俺のことは忘れて」
「そんなの無理っ、」
大貴「連絡先もここで消そう。スマホ貸して」
催促するように手を出してきたから、スマホの入ってる鞄を両手で抱え込んで彼を睨んだ。
困ったように眉尻を下げるその表情も、かっこよくて…胸をギュッと掴まれるように苦しくなるのに。
差し出されてる大好きなこの手に、私の手を重ねることはもう出来ないのかな……
大貴「ほら、」
「……」
侑李「僕ら都合で一方的で申し訳ないけど、受け入れてくれないかな?」
「だって…」
侑李「大貴はAちゃんにとって、好きになっちゃいけない人だったんだよ」
分からない…
それは、お父さんの知り合いだから?
そんなの関係ないでしょ…
「好きになっちゃいけない人なんていない……」
侑李「え?」
「相手がどんな事情でどんな形で知り合った人でも、好きになるのは私の自由だもん」
お父さんが人見知りで引っ込み思案の私によく言ってたの。『人との出会いを大切にしなさい』って。
「大貴くんが、お父さんをきっかけにして私のことを知ろうと思ったことも全部、お父さんが繋いでくれた出会いなんだって思いたい」
お父さんがいなかったら、仕事で大貴くんに関わっていなかったら、私達は知り合ってなかったんだから。
大貴「繋いでくれた出会い……」
今日初めて、大貴くんが動揺の色を見せた気がした。
視線を泳がせてテーブルに置かれたままの猫のキーホルダーを見つめて眉を顰めてる。
「……でも、分かった」
猫のキーホルダーをそっとカバンにしまって、スマホを大人しくカバンから取り出してテーブルの上に乗せたままだった大貴くんの手に重ねた。
指先が彼の手に触れた瞬間、心臓がキュッとした。
大貴「A…?」
「連絡先消すの嫌だけど……そうした方がいいなら、大貴くんが必要だと思うならそうしようと思う」
一生会えなくなるわけじゃない。
騙されていたんだとしても、これまで優しかった彼の態度や言葉が全て演技だったなんて思いたくない…
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もちもち(プロフ) - 有岡担さん» 『雲の切れ間から』シリーズで題名あってますよ♪ 続編の方に感想コメント下さった方ですよね^ ^ 有難う御座います、頑張ります! (2020年6月24日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 雲の切れ間からというお話から読んでます!題名あってますか…?間違ってたら申し訳ないです!大人編も読みました。どちらも面白かったです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください。 (2020年6月24日 2時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - なーさん» ありがとうございます!大丈夫です♪ ぜひフォローしてやって下さい^_^ (2020年6月23日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
なー - 最近読み始めました!Twitterは鍵垢(閲覧用)のアカウントでも、フォローしてもいいでしょうか? (2020年6月22日 19時) (レス) id: 6d51b7543f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年5月22日 23時