181 - 苦手なもの ページ36
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『今のすごくね?!』なんてはしゃいでる周りの人の声が聞こえる中、私は恐怖で脚に力が入らなくて、よろけて改札近くの壁にもたれかかっていた。
身体が震えてる…
建物の中にいる時はまだマシなんだけど、この中を歩いてカフェに向かわないといけないとなると訳が違う。
雷の音を聞くと脳裏を過ぎる。
お父さんの実家近くで迷子になったあの日のこと。あの時、近くに高い建物がない真っ暗な田んぼ畑を歩いていた。
すぐ近くの山に雷が落ちるような音が何度も聞こえて…
雷に撃たれて死ぬんじゃないか…
このまま家に帰れずに凍え死ぬんじゃないか…
まだ中学生だった私にとって
初めて死を間近に感じた時だった。
すがるような思いで入った小屋のようなバス停。そこで会った彼のことは忘れない。
“だいき”くん…
(だいき「バスなら……終わったけど?」)
〜♪
「っ!!」
改札を通る時に持ったままだったスマホが震え始めて、意識を引き戻された。着信だ。
大貴『あ、……駅着いた?』
「うん……」
耳元で聞こえる久々の大貴くんの声。強張った身体が解れていくようなホッとした感覚になる。
大貴『平気? 雨とか凄いけど……迎えに行くから待ってな』
「え……で、でも傘持ってるから」
大貴『雷怖いかな…って思って。 てかもうそっち向かってんだけどね』
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(だいき「大丈夫だよ。ただの雷なんだから」)
(「でも……ダメ。 小さい頃から怖くて…」)
(だいき「……大人の方がよっぽど怖えーわ」)
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偶然だよね………考え過ぎ?
思えば……“だいきくん”と出会ったあのバス停はお父さんの実家近くだった。
彼の顔は暗くてはっきり見ていないから確証はない。黒いレインコートに白いマスク姿で目元しか見えなかった。
だけど、街灯の明かりで少しだけ見えていたあの澄んだ瞳と耳に残っている声は…
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「ねぇ………なんで私が雷が苦手なの知ってるの?」
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もちもち(プロフ) - 有岡担さん» 『雲の切れ間から』シリーズで題名あってますよ♪ 続編の方に感想コメント下さった方ですよね^ ^ 有難う御座います、頑張ります! (2020年6月24日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 雲の切れ間からというお話から読んでます!題名あってますか…?間違ってたら申し訳ないです!大人編も読みました。どちらも面白かったです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください。 (2020年6月24日 2時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - なーさん» ありがとうございます!大丈夫です♪ ぜひフォローしてやって下さい^_^ (2020年6月23日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
なー - 最近読み始めました!Twitterは鍵垢(閲覧用)のアカウントでも、フォローしてもいいでしょうか? (2020年6月22日 19時) (レス) id: 6d51b7543f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年5月22日 23時