始まりを君に 4th - Daiki.A

173 - 失踪？ ページ27

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梅雨明けが例年より遅くてどんよりした天気が続く。



夏休みのある日、ゆずと朝から探偵事務所にやってきた。



ニャゴさんの世話をしてからその足で遊びに行こうとしていたので今日はゆずも一緒。



柚季「蒸しあつ〜……事務所で侑李とお茶飲んでよ〜っと」



ゆずの目的はもちろん侑李くん。 2人の関係は続いてるみたい。



正式に『付き合ってます！』って言ってこないからいまいち分かんないけど。



今日は事務所に侑李くんしかいなくて、大貴くんは仕事で外に出ているみたいでいなかった。



「ニャゴさーん？」



ゆずが1階で侑李くんと話している間に大貴くんの部屋へ上がった。 エサと飲料水を補充してトイレの掃除も済ませて手を洗う。



「おかしいな……どこだろ」



まだ14時なのに天気が悪いせいか部屋の中は薄暗くて、電気を点けて見渡してみるけど姿が見えない。



夜行性だからこの時間はお昼寝の真っ最中なんだろうけど、ベッドの上にもお気に入りの段ボールの上にもいない。



まさか外に出ちゃったのかな。









ガタンッ、チリンッ、









「きゃあっーー！！」



人気の無い静かな部屋で急に大きな音がたって思わず叫び声を上げてしまった。



物音が立った方向…
書類の詰まれたテーブルの足元にふわふわの尻尾が見えた。



よく見ると何かに夢中になってじゃれているようで、テーブルの足元で尻尾をフリフリして機嫌が良い。



「ニャゴさん……あ〜びっくりした。 なにしてるの？」



人間の言葉なんて理解出来ないはずなのに、私の方を振り返って、テーブルの裏と私の顔を交互に見て訴えかけてきた。



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