162 - 血の気が引く感覚 ページ16
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大貴「やっと内定貰えたんだし、単位落として卒業出来ないなんてバカなことにならないように、学校行かなきゃだもんな」
「うん……、ほんと、その通り」
大貴「…」
私の髪をくるくる指に絡めてる大貴くんを見上げていたら、『またすぐに会えるからさ』って私の気持ちを読んだかのように呟いた。
夜の白い街灯が点々と明かりに照らされる駐車場。
ようやく髪を放した彼がゆっくりと顔を近付けてきて、触れそうなところまできたので目を閉じた。
〜♪
予想していた感触が唇に届く前に、スマホから着信音が鳴り響いた。 反射的に大貴くんが私から離れて、気まずそうに首の後ろを掻く。
「ごめん……」
大貴「いや…」
旅行中、散々侑 李くんに通知音がうるさい件で怒られたけど、今心の底から通知音をオフにしておけばよかった…と猛省した。
旅行中は亜里咲ちゃんに邪魔されちゃうこと多かったけど、今度はなに?
鞄に入ってるスマホを取り出すと『店長』の文字。
「もしもし? どうしました?」
店長『Aちゃん? 休みの日にごめんね、今平気?
ーーー こないだの猫が店の裏で倒れてたんだ』
「…えっ?!」
私が突然大きな声を発したもんだから大貴くんがビクッて驚いた。
店長『このままにしておいたら死ぬと思って、急いで病院に連れてきたんだけど。 心無い誰かのいたずらしたのかねぇ。 変な物食わされたのかもしれない……今処置してもらってるけど容体が良くないみたいなんだ』
血の気が引いていくってこうゆうことを言うんだ。
心臓がバクバクと脈打ってて、全身が震えだした。 それなのに手や首元からは変な汗が噴き出してくる。
店長『どうなるか分かんないから今すぐ来て』
「……」
ニャゴさんはただの野良猫じゃなくて、大事な大事な……家族同然の存在。
野良として外で自由にさせておくのがストレス無いから幸せだと思ってた。 まさかこんなことになるなんて……
大貴「…どした?」
スマホを耳に当てて立ち尽くしている私を見て大貴くんが心配そうに顔を覗き込んできた。
最悪の事態を想像した私は、既に目から溢れ落ちたものも気にせず、頭の中は今どうするのが最善かを必死に考えていた。
「っ、…どう…しよ…っ、こんどはだめかも…っ」
大貴「は?」
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もちもち(プロフ) - 有岡担さん» 『雲の切れ間から』シリーズで題名あってますよ♪ 続編の方に感想コメント下さった方ですよね^ ^ 有難う御座います、頑張ります! (2020年6月24日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 雲の切れ間からというお話から読んでます!題名あってますか…?間違ってたら申し訳ないです!大人編も読みました。どちらも面白かったです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください。 (2020年6月24日 2時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - なーさん» ありがとうございます!大丈夫です♪ ぜひフォローしてやって下さい^_^ (2020年6月23日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
なー - 最近読み始めました!Twitterは鍵垢(閲覧用)のアカウントでも、フォローしてもいいでしょうか? (2020年6月22日 19時) (レス) id: 6d51b7543f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年5月22日 23時