094 - 実感が湧かない ページ47
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「ん〜ふらふらするぅ……」
大貴「ほら、言っただろ？ 飲み過ぎだって」
数時間前に私の彼氏となった大貴くんと、2軒目の飲食店を出たところ。
オシャレな個室居酒屋で軽く飲みつつお腹を満たした後、バーで散々飲んで、途中から彼に『飲み過ぎ』って怒られながらグラスを奪われて、私の飲んでいたお酒は彼の喉に流し込まれる…
そんなやり取りを何度も繰り返した。
駅前の大通りから離れた静かな道。 街灯が街路樹を照らしていて、通りに人の姿は無い。
駅に向かって歩いていたところで公園を見つけて、酔っ払いのテンションでそこへ吸い込まれるように入っていく私と、呆れつつ、仕方ねぇなぁ…、って笑ってついて来てくれる大貴くん。
私が懲りずにお酒を頼んじゃうから、結果的に大貴くんが飲むお酒の量が増えて、彼もだいぶ酔ったみたい。
「お店入った時に『内定祝いだからたんと飲め！』って言ったのは大貴くんじゃーん」
大貴「あれ〜そうだったっけ？ ははっ…まぁいいや、楽しいから」
まだ実感が湧かないや。
こうして傍にいてくれるこの人が…私の彼氏だなんて。
子供みたいな愛くるしい可愛い笑顔を浮かべてると思ったら、スッと睫毛を伏せて足元を見る。
その表情から大人の色気を感じるからカッコ良くて胸のどきどきが止まらなくて…
酔いが覚めたと同時に、彼はすっとぼけていなくなってしまうのでは…？
そんな不安を抱きながら、誰もいない公園の中央にあった滑り台が目について階段を登る。
大貴くんはズボンのポケットに手を突っ込んだまま、滑り台の脇で私を見上げている。
「大貴くん、……本当に私でいいの？」
俺でいいの？ って告白した時に訊かれたけど、寧ろこっちが訊きたいくらいだよ。
大貴「……今更そんなこと訊く必要ある？ あと呼び方、…いつまで “くん” 付け？ 呼び捨てがいいな」
「っ……そんな急には、ちょっと…恥ずかしくて無理だよ」
大貴「えっ、断んの？ まぁ、無理にとは言わないけど……」
そういえば、大貴くんは既に“A”って呼び捨てしてきたり、さっきの飲食店では私を揶揄う時に “Aちゃーん” なんてちゃん付けしてきてた。
そんな使い分けも実は嬉しいし、なんの違和感もなく呼び捨てされてたな。
さすが、女の子との付き合い方に慣れてるなぁ…
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん！だだ…だ大ファンです…！信じられない…有難う御座います！！(T-T) (2020年3月4日 12時) (
レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー！続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2020年1月17日 23時
