085 - 伝えられない事実 - 侑 李side ページ38
＊回想続き
- 侑 李side
「事件に関係ありそうなことは話して。 そんなに部外者は信用ならないの？」
涼介「違うよ。そうゆんじゃない」
あの事件の後、警察は亡くなったユキさんの情報を世間に明かさなかった。
新聞では一般男性が解体中のビルの崩落事故に巻き込まれた…というかなりシンプルなニュースだった。
人が亡くなっているのに、未解決のまま闇に葬られた事件。 しかも身内の刑事がやられたのに。
それはきっと何か裏で力が働いているから。
大貴と涼介は犯人をこの5年間追い続けていて、雄也と僕はその手伝いをしている。
ずっと一緒にやってきたのに…
つれないじゃん。
ガタン、と風呂場のドアが開く音がした。
「それでどうなの？ 僕の見立ては」
涼介「…あってるよ。 そこまで調べ上げて推理するなんてさすがだわ」
「それが仕事なので」
涼介「でも１つ誤解してる。 あの事件に関わった人のこと……知れば知る程危ない目に遭う危険がある。だから知 念達には必要最低限の情報だけ伝えて協力してもらおうとしてたんだ。 信じてなかったわけじゃない。ごめん」
大貴「……どうした？」
話を切り上げるのが遅かったのか、脱衣所から出てきた大貴が何かを察知したのか心配そうに歩いてきた。
「隠し事の多いのは仕方ないけど、被害者であるユキさんや犯人に関わる情報は教えてよね」
大貴は視線を外しながら肩に掛けていたタオルで髪を拭いて押し黙った。
「A A……ユキさんの娘に何の目的で会ってるの？」
涼介「お、おい…そんな直球で」
気になることは回りくどいことせずに確認したいの。
大貴「それは……」
「事件に関わることなら僕らも彼女のことを色々調べないと、」
大貴「ち、違う…っ！」
急に目の色を変え、慌てた様子で言葉を遮ってきた。
ほんと分かりやすい…
そんなことされたくないんだもんね…
しばらく黙り込んだ後、観念したのか重い口を開く大貴。
大貴「彼女は俺が個人的に会いたいだけで、例の事件とは……直接的に関係はない。 ただ…ユキの娘ってだけ」
「…だと思った。 私情に口出しするつもりはないけど、いつか限界が来るよ」
大貴「……」
彼女には…
何も伝えてないんだもんね、
ユキさんと自分がどんな関係だったか。
それと、大貴が……
反社会的勢力の人間だってことも。
.
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん！だだ…だ大ファンです…！信じられない…有難う御座います！！(T-T) (2020年3月4日 12時) (
レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー！続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2020年1月17日 23時
