077 - 喧嘩するほど - 侑 李side ページ30
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- 侑 李side
僕らの事務所兼住居の古いビル。
大通りを避けるようにビル横の脇道を抜けていく車が少なくなった時間帯。
裏の駐車場に1台の車が停車して、カーテンを取り付けていない曇りガラスが、車のライトと思われる強い光が部屋の中を乱反射して、僕は目を顰めた。
時刻は深夜1時…
誰？ 無断駐車？ それとも…
裏口の扉の鍵がガチャ、と音を立てて開けられる。
大貴「ただいまぁ…」
スマホに視線を落としたまま小声で入ってきた大貴。 もう片方の手には大きなコンビニの袋。
その姿を見て、数秒だけ抱いた警戒心を解いた。
「あれ？……おかえり。 今日泊まりなのかと思ってた」
涼介「よっ、大ちゃん。 お邪魔してまーす」
僕の正面のソファに座っている涼介が一瞬だけ片手をあげてしゃべる。 対戦中だからかこの人も視線は下のゲーム機に向けたまま。
夜な夜な携帯ゲームでオンライン対戦をしていた僕と涼介。
ソファの横まで歩いてきて、レジ袋をテーブルの上に置く大貴は涼介を睨み付けて、わざとらしく大きなため息をついた。
涼介「大ちゃんどこ行ってたの？ 親父さんとこ？」
大貴「んーまぁ…そんな感じ。 お前さぁ、俺のことあの男にベラベラしゃべったろ。 余計なことすんな」
涼介「親父さんのこと“あの男”とか言うなよ、実の親だろ。 それに大ちゃんのことを報告すんのは俺の仕事だから」
大貴「今後はダメ。 なに考えてるかわかんねぇから。 これは命令……分かった？」
涼介「それは無理……俺だって親父の意図を汲んで動くことだってあるし、」
大貴「あれはもう先長くないから。 お前は俺の言うこと聞いときゃいいの」
涼介「はっ……？」
涼介の顔色が途端に変わった。
分かった…？ って大貴が普段より低い声で言いながら、ゲームから大貴に視線を移した涼介と視線が絡むと、部屋の空気が一瞬でピリつく。
そこら辺にいるチンピラならこの2人が放つ殺気に臆して固まるけど、僕はもう慣れちゃったから動じることはない。
「ちょっと……」
2人はよく喧嘩する。
『喧嘩するほど…』って言うからね。
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん！だだ…だ大ファンです…！信じられない…有難う御座います！！(T-T) (2020年3月4日 12時) (
レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー！続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2020年1月17日 23時
