051 - 眠れない - 大貴side ページ2
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- 大貴 side
この夢を見るといつも大汗をかいて飛び起きて、吐き気に襲われてトイレに駆け込む。
「おぇっ、……ハァ……」
トイレの床に座り込んで、額から垂れてきた嫌な汗を手で拭った。
深夜に俺がバタバタと音を立ててトイレに駆け込むと、同居してる高木や知 念に心配されていた。
最近は慣れたのかトイレまでやって来ることはなくなったけど。
あの時、託されたキーホルダー。
白いネコのキャラクターは血で茶色く汚れて今は見るも無残な姿。
失くさないように大切に…部屋の引き出しの中で眠ってる。
トイレから自分の部屋に戻りベッドに寝っ転がって、あれこれ考え事を始めたら眠れなくなった。
しばらく経ってようやくウトウトしてきたと思ったのに、外は日が昇ってからだいぶ時間が経ったようで、カーテンの向こう側から光が漏れていた。
スマホで時間を確認すると、7時10分。
「あ〜くそぉ……」
全然眠れなかった…
そろそろ1階に降りないと、知 念の奴うるせぇんだよなぁ…
5分遅刻しただけで小言言われたこともある。
あいつが準備早過ぎんだよ……
今日の仕事は不倫調査。
着手してから3日が経過した。
ターゲットの男を尾行して不倫の証拠を押さえるのが最終目標。 此の手の探偵業がAnfangの収入の主体。
コンコン、と部屋のドアがノックされた。
高木「おはよ〜……分かってると思うけど知 念が待ってる」
「…はよ。 んー今行く」
高木が代表を務めるこの会社。
…といっても実質的な経営は高木のお姉ちゃんが裏でやってんだけど。
住み込みのような形で雇ってもらってる俺。
知 念は高木の幼馴染で、一緒にこの会社を立ち上げたメンバー。
高木は俺より歳上だけど、高校の時にバイト先の居酒屋に後から入ってきた後輩で、実年齢とバイトでの上下関係が逆だった。
高木は体育会系だから、出会った当初は頑なに敬語だったけど徐々に仲良くなってタメ口になった。
知り合って7年近く経つのに、未だに呼び捨てはせずに『有 岡くん』と律儀に呼ぶところは高木らしいっちゃらしい。
Aおはよう!予定通り明日18時で大丈夫かな?
昨晩届いたメッセージを見返す。
今夜はAと会う約束をしてる。
何も知らない、無垢で真っ直ぐな彼女が気になって仕方がない。
こんな感情を抱いていいのか…いや、良いわけないよな。
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん!だだ…だ大ファンです…!信じられない…有難う御座います!!(T-T) (2020年3月4日 12時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー!続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年1月17日 23時