【完結】雲の切れ間から After Story 3rd - Daiki.A

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大貴が……落ち込んでる？



「え……ちょっ……なんでそれを…」



なんで知ってるの？ 大貴から聞いた？
別れたこと、内緒にするんじゃなかったっけ。



お母さんにまだ言ってないから叔母さん伝いにちーちゃんに伝わったとは考えられないし…



侑李「ふぁあ……あ〜眠ぅ……」



私のことを面白そうに見ていたちーちゃんはお酒のせいで眠たいのか、目を擦りながらソファにいる慧くんのもとへふらふら歩きだす。



「あ、待って…話がまだ終わってない、」



私の声が聞こえてるはずなのに、無視して行ってしまった。



慧くんと仲良くソファに座り直して私と紗奈のお箸を勝手に使ってつまみを食べ始めた。



紗奈「あー！！ ちょっと！ あんたらお腹いっぱいなんじゃなかった？」


慧「へ？ 味見してるだけだよ〜」


侑李「すみませーん、飲み物くださーい」


紗奈「店員じゃないから！ あと今から生放送で観たい特番があんの！」



テレビの前に陣取って、チャンネルを回して番組表を見だした紗奈。



皆まるで自分んちのように好き放題やってるけど、私はそんなことはどうでもよくなっていた。










ちーちゃんが私達が別れた事実を知ってること。
大貴が私と別れたことで落ち込んでること。



どちらも気になって仕方なかった。



口止めしたわけじゃないからいいんだけど。
私も久保さんに大貴と別れたこと伝えちゃったから。



でも…ちーちゃんに言うなんて想定してなかった。



自分から別れを切り出したくせに、頭の中はそのことでいっぱい。



どうして？何をどこまで話したの？何考えてるの？



心配する権利なんて無い。 別れた直後に他の男の人と交際開始間近の状態になっちゃってるし、別れ際に大貴が寂しそうにしてたのを分かってたのに見て見ぬ振りをした。



私、最低だ。



こうして心の中で拗らせてる中途半端な気持ちを断ち切らないとダメだ。



しっかり自分の中でけじめつけないといけない。



パチンッ、と音が出るくらい自分の両頬を手で叩いて気合いを入れ直す。



今日は大貴も含めた旧友との忘年会。
私は『幼馴染』に戻ったんだから。



大貴も私もこれから先、違う道を歩いていくことを決めたんだから。



「よぉしっ、今夜はパーっと飲むよ！！」


慧「おー！」


紗奈「えっ？ なに？ 急にどうしたの……よく分かんないけど、おーーーう！！！」



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