116 ページ19
.
慧「おじゃましまーす!」
侑李「おじゃましまーす」
紗奈「慧! 久しぶり! ちーちゃんは同窓会ぶりだね」
今にも転びそうな2人からスーパーの袋を受け取って、割られないように退避させた。
慧「うわぁ、つまみ美味そうだけど…腹いっぱいで入んないわぁ」
酔ってる割には手洗いうがいをちゃんとして、コートもコート掛けにかけてからソファに寝っ転がった慧くん。
ちーちゃんは、キッチンに入り冷蔵庫を物色してる。
紗奈「慧、これ出産祝い!」
紗奈が紙袋を手渡した。 今日会った時からずっと持ってた物。
あ、慧くんのところ子供産まれたもんね。
自分の流産のことで頭いっぱいで、お祝いの品を用意するの忘れてた。申し訳ない。
ありがとー、って満面の笑みで受け取って、それを抱きかかえながらソファに再び寝そべった慧くんは目を閉じて寝ようとしてる。
侑李「トイレ借りまーす」
家主は不在だけど、ひとこと言ってからリビングを出ていくちーちゃん。
「あ、トイレは右手の洗面所の ーー」
侑李「あ、知ってるからへーき」
「そう…………え? なんで?」
話しかけてる私を無視して、バタン、とトイレの扉が閉まった。
ここ来たことあるの?
知らなかった……一体いつ?
紗奈「大ちゃんから連絡無いね。 まだ仕事? それとも飲み?」
「あ、年末はコンサートとか特番でいつもいないからその関係で遅いんだと思う」
慧「そーなんだ。 寂しいね」
寂しい……寂しかった。
紗奈「でも一緒の時間はラブラブなんでしょ〜?」
「え…ん〜」
紗奈「私にもそんな時期があったのよ〜」
慧「どしたの紗奈。 まるでおばちゃーー
っ、いってぇ!! やめてよ!」
慧くんが何かを言いかけたところで、紗奈が近くにあったティッシュの箱を投げつけた。
顔面にクリーンヒットしたらしく、手で顔を覆ってる。
侑李「騒がしいね〜」
呆れ顔のちーちゃんがトイレから戻ってきた。
「ちーちゃん。 ここ来たことあったんだね」
侑李「うん、割と最近ね」
「最近……?」
ニコッと可愛らしい笑みを浮かべた彼は、私に近付いてきてそっと耳打ちした。
侑李「大貴のやつ……
Aと別れて、かなり落ち込んでたよ?」
「っ?!」
言葉を失ってる私を見たちーちゃんは、私を馬鹿にするかのように笑った。
.
213人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!感動して頂けたなんて…嬉しいです!いつか続きを書きたいと思ってます。私も無事に妊娠・結婚するエンドを読みたいですw (2020年6月11日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - もちもちさん!お話全て読ませて頂きました!すごく感動してとても読み応えがありました!是非続編書いて頂きたいです。番外編でのお話楽しみにしてます!個人的にはこの後無事に妊娠してハッピーエンドのお話が読みたいです、w。待ってます! (2020年6月10日 16時) (レス) id: 2bb2dfb322 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 有岡担さん» ありがとうございます!心に響くものがあったのだとしたらとても嬉しいです(涙)近いうちにまた過去話とか書きたいなぁと思ってます^_^ (2020年5月11日 13時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - もちもちさんのお話最高でした!読んでいてところどころ泣きました。感動しました。番外編楽しみに待ってます。 (2020年5月11日 1時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 名無し24427号さん» ありがとうございます!番外編をいつか更新した際にはまた読んで頂けると嬉しいです! (2020年1月1日 7時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もちもち | 作成日時:2019年12月22日 21時