【完結】雲の切れ間から After Story 3rd - Daiki.A

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大貴は事務的な話だけして、最後まで無表情のまま帰った。



部屋を出る直前…
扉の前で一瞬立ち止まって、














大貴「幼馴染に……戻るってことだよな？」

















あんなに低くて……震えた声、
初めて聞いたかもしれない。




















ーー





看護師「うわっ！！ ど…どうしたんですか？！ この手！！」



大貴がいなくなって数分後、トイレの介添えに来た看護師さんが私の手を握って悲鳴をあげた。



あっ……
手のひらを広げたら、血まみれだった。



左手はなんともなかった。 布団を握りしめてたからかな。



右手は利き手だし、直接握りしめてたから凄いことに……



爪の中に入った血が固まって真っ赤。



手のひらには爪が食い込んだ跡がくっきりと4本分あって、そこから出血していたけど今は殆ど止まってる。



「あ〜……ん、なんでしょうね」




嘘をつく気も、説明する気力もなかった。




今はその痛みなんて感じないくらい…胸が痛かった。




心が修復しようもないほど、ぼろぼろだった。




でも不思議と涙は出なくて、




ぽっかりと心に穴が開いて、
そこから感情が欠落してしまったような感じ。




抜け殻みたいになっている私。








原因は全部自分にある。





看護師「さっき元気だったのに急にどうしたんですか？！ 具合悪い？ 先生に診てもらいましょうね！」



私の様子があまりにおかしかったのか、心配そうな看護師さんが慌てて部屋を出て行った。








紗奈同窓会で全員集まれなかったから忘年会しない?



久しぶりの5人だけのグループトーク画面。



さすがに最近連絡を取り合っていなかったからか、新しく作られたグループに招待されていた。



グループ名は “みんなの近況聞き隊”



侑李なにこれ。ネーミングダサすぎてムリ


紗奈うっさいwじゃあ参加しないで!


侑李伊野ちゃんとこ子供産まれたばっかだし、大貴は年末年始忙しいから無理じゃない?


紗奈えー同窓会行けたメンバーでまた集まる感じ? 意味ないじゃん


慧いくいくー


紗奈慧キター



もぉ…
直接話してるわけじゃないけど騒がしい。



昔から変わんないなぁ……



平日の昼過ぎにほぼリアルタイムでメッセージが飛び交ってる。



皆……仕事しよう…？



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