040 - 高3 後夜祭 ページ41
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その場に残された大ちゃんと私の間に、さっきと同様の沈黙が流れる。
大貴「嫌ならちゃんと嫌だ、って言わないと。 俺が来てなかったらあのままキスされてたよ」
説教みたいなトーンで話しだした。
後輩とデートだとか、楽しそうとか、今朝は好き勝手に言ってきたくせに…
「………大ちゃんには関係ない」
大貴「そうだな………関係無かったわ」
そう言いながらも、私の方に歩いてきて顔を覗き込んできた。
大貴「………………泣いたの?」
心配そうに私の頬を伝った涙の跡を指でなぞってきた。
「ちょっ……」
なんでそんな……
大切なものを触るみたいな優しい手つきなの。
大貴「怖かった…? ごめんな、すぐ来てやらなくて」
「優しくしないで……」
大貴「え……?」
「ずっと……怒ってたじゃん」
大貴「は? 俺が?」
なんのこと? って心当たりが無い様子。
自覚ないってどういうこと?
準備日からずっとイライラしてたくせに。
大貴「さっきの奴……イケメンだったし、もうちょっとやり方考えれば付き合えたかもしれないのにな」
「は? なにそれ……」
告白のシチュエーションがどんなに良くても、田邊くんとは付き合わなかった。
「大ちゃんは……なにも分かってないね」
大貴「………」
また妙な沈黙。
大貴「なぁ、知念とまた付き合わないの?」
「………そんなんじゃない。 そんな前の話、なんでぶり返すの」
大貴「………」
ちーちゃんと付き合ったのは大ちゃんへの作戦だったの。
まぁ、そんなこと言えないけど。
大貴「俺のこと………まだ好きなの?」
「っ…」
なんでそんなこと直球で訊いてくるのかな。
たぶん、答えなんて分かってるでしょ。
言わなくても…
私の顔に書いてあるはず。
涙の跡をなぞってた手が、今度は私の肩にそっと置かれる。
ゆっくり近づいてきた
目を細めて私を見つめる表情…
私が目を閉じたら、
グッと体育館の壁に頭を押し付けられるように深く重なって、
何度も角度を変えて柔らかい唇が触れてきた。
私は彼の首に両腕を回して抱きついて、必死にそれを受け入れた。
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あかね - もちもちさん» 切なめのお話は大好きです(/ω\*)何だろ…切なめな話は落ち着くし…展開が気になる…んですよね。私はちびーずが好きです(*´-`)この作品はちびーずが出てるので最高です笑 (2019年12月6日 14時) (レス) id: 01d40f01a0 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!『待ってた』という言葉を頂くととても嬉しいです。切なめなお話ですが今後の展開ご期待ください(^ ^)応援有り難うございます! (2019年12月5日 21時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - もちもちさん» 続編を待ってました!もちもちさんが作るお話は素敵で感動して…大好きです♪やっと付き合った大ちゃんとの恋…2人は結婚するのか…子供が生まれるのか…とても楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 859480f15a (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - けいとるさん» ありがとうございます。とても嬉しいです。今作は初作品の続編なので感慨深いです…頑張ります! (2019年12月3日 10時) (レス) id: e43ac0a964 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - もちもちさん» 分岐のお話キュンキュンが止まりませんでした!続編待ってました!頑張ってください! (2019年12月3日 0時) (レス) id: 28ae4d748b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月29日 21時