雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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上司「ごめん、午後の会議資料を投影用のタブレットに入れといてくんない？」



昼休みの真っ最中。 会社の席で昼寝していた。



これをやると午後ウトウトしなくて済むから毎日のルーチンにしてる。



「はい。 分かりました」



会社のタブレットを操作しながら、まだ半分寝ている頭を必死に起こす。











今のは……夢？



なんか高校の頃にタイムスリップしたかのように思い出が鮮明に蘇ってきた。



たぶん、先月同窓会で皆に会ったからだ。
懐かしい。



(高3の大貴「あぁ〜くそぉ！！あと5メートルあれば！！」)


(高3の涼介「はははっ！！ 俺の勝ちだな」)



結局負けちゃったんだよね……全員リレー。



でもあの時の大貴、凄くかっこよかった。



(高3の大貴「盛り上がったんだから結果オーライっしょ！」)

…って。あまりにポジティブで驚いたけど、すごく励まされた。



クラスの皆から『良くねぇわっ！！』って総ツッコミ受けてた。



あの翌週1週間、大貴は山田くんに購買奢らされたんだよね。












昼休みの間だけ、民法番組を流す会社の壁掛けテレビ。



いつも会社の人達と外にご飯食べに行くんだけど、毎週火曜のお昼だけはオフィスで食べるようにしてる。



テレビに映るバラエティ番組。そこに映っている自分の彼氏の姿。



スタジオで試食して、なにこれ、すげぇうま〜い！ って。



そのあと、いつも通り下手くそな食リポ。
美味しいのは分かったけど全然味が伝わんない。



テレビ向けだろうけど、美味しそうに食べてる姿を見ると、今度作ってあげよう、って思う。



前に一度作ったことあるんだよね。



ん？ なんか既視感あんな……デジャヴ？ って呟きながら食べてるのが可笑しくて笑っちゃった。



ヒルメンデスでやってたやつだよ、って教えてあげたら、私が番組観てることにびっくりしてたね。



家ではあのぽんこつ食リポは出ないけど、



(大貴「Aの作ってくれるご飯ならなんでもうまいよ」)



さらっと恥ずかしいこと言ってのけるから恨めしい。



？「テレビ観て何ニヤけてんの？」


「わっ！！」



彼女は同じ部署の白石さん。 私より5つ歳上の33歳で、つい最近2人目のお子さんの育児休暇から復帰した人。



白石「あっ！もしかして……
有岡くんのファンなの？！」


「はいっ？！」



動揺しすぎて危うく操作してたタブレットを落としそうになった。



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