雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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あの喧嘩から2週間…
妊娠が分かってから4週間ぶり、2回目の産婦人科。



今日は平日に休みを取って病院に来ていた。



血圧、体重、尿検査、これは妊婦健診の時に毎回必ずやるものらしい。



助産師「母子手帳を先にお預かりしますね」



待合室で助産師さんに母子手帳と医療費助成券を渡して、待合室のベンチに座った。



隣に座っていた女性は、出産間近なのかすごくお腹が大きい。 その横には3歳くらいの女の子が座っていた。



私の横にいる妊婦さんはこの女の子のお母さんらしくて、大きなお腹に絵本を乗せながら女の子に読み聞かせをしていた。



助産師「Aさーん」


「あ、はい」



診察室のスライドドアが開いて、助産師さんが顔を出す。



名前を呼ばれたので中に入って内側から鍵を掛けて、下に履いているズボンと下着を脱いでカゴに入れた。



下半身にかけるバスタオルがあるのでそれをかけて苦手な診察台に座った。



医師「こんにちは〜。 それでは赤ちゃんの様子と子宮の状態を診ますね。台が動くので注意してください」



天井から胸の高さくらいまで垂れているカーテン。 その向こう側で先生が話してる。



機械を操作する音がして、座っていた診察台が動いて自動で足が開かれる。 明るい照明がカーテンの向こう側で点いた。



機械が入りますから力抜いて下さいね〜、って看護師さんの柔らかな声。



ふぅ〜、って息を吐くうちに固い機械が中に挿れられて、映像がモニターに映し出された。



黒い丸、その中に映る白い影。
この4週間で結構大きくなった気がする。



頭と身体の区別がつくくらい、二頭身で背中を丸めているような小さな影に見えた。



画面にメジャーみたいなカーソルが表示されて、大きさを測ってるような動きをしてて、



21mm と表示された。



2センチ……もうそんなに大きくなってるんだ。



しばらく言葉を発さなかった先生が、機械を挿れた状態で話しだした。




















医師「Aさん、



……赤ちゃんの心拍が確認出来ません」



















「………えっ？」

















医師「……流産の可能性が高いです」


















それは、何の予兆もなく…









突然訪れた悲しい現実だった。



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