雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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上司「だいじょ〜ぶ？ 彼氏に迎えに来てもらえば〜？」


「もぉ〜だいじょぶですってば！！」



綺麗な月が雲ひとつない夜空に浮かんでる。 満月じゃないのが残念。



大声でそんなやり取りを交わす私は、飲み会がたった今終わったところでほろ酔い状態。



お酒が入り過ぎるとタガが外れてボロが出やすいので今日は酒量を抑えた……つもり。



時刻は深夜1時前。



幸い、大貴のマンションは都内のど真ん中にあるから電車で長時間揺られる必要が無くて、正直こういう時凄く助かる。



大貴遅くなるよ



いつも通りのメッセージを受けて、自分も飲み会だと伝えていた私。



大貴の “遅くなる” は、深夜3時の時もあれば、23時くらいに帰ってくることもあるから、いまいち何時頃なのかが分かんない。





ーー




今日は調子良いなぁ。歩いててもそんなふらつかないし、ちゃんと寝過ごさずに最寄駅で降りた。



ご機嫌で帰宅すると大貴の靴はまだ無くて、



今夜は3時コースかぁ、ってここでようやく分かる。



明日の着替えを用意して、シャワーを浴びて歯を磨いて……完璧だった。



洗面所でイヤホンで音楽聴きながら髪の毛を乾かす。



ここまでは良かったのに、それからがまずかった。



歯磨きしたのになぜか調子に乗って風呂上がりにビールをプシュッと……



それを洗面所で持っていき、髪を乾かしきってビールを喉に流し込んで…



「ぷはー！」


大貴「おい、オッサン」


「きゃっ！ びっくりした……」


大貴「こっちがびっくりしたわ。 なんで洗面所でビール？」



いつの間にか帰宅していた大貴が洗面所に入ってきて、ちょっと退いて、って私に言って手洗いとうがいを済ませる。



髪はセットされたまま。 ふわっと男性ものの良い香水の香りがした。



これは大ちゃんが仕事の時に付けてる香り。



爽やかで洗練された香りだけど甘さもあって……誰がどうやって選んだんだろう。



大貴の雰囲気と合ってるから私は好きだけど、仕事モードの彼を感じてしまうから、少し距離を置きたくなる感覚にもなる……



大貴「風呂入る……」


「あっ、うん。 ごめん、湯船入れてない」


大貴「あ〜平気」



ベルトを外し始めたから、邪魔になるので洗面所から退散することにした。



飲みかけのビールをキッチンで一気飲みして、足元がふらつくからベッドに横になり、スマホをいじっていたら…




そのまま意識が飛んだ。



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