2-2[完] ページ7
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あまりに印象が変わった自分の姿に、変質者に襲われたことも忘れて、見入ってしまった。
あれ…?そういえば私リップ買ったんじゃなかったっけ? なんで彼がそれを持ってたの?
手に持っていたはずのリップは無い。でも、後ろに立って満足気に微笑む彼も手には何も持っていない。
どういうこと?
?「すごく綺麗だよ。 良かった……俺と相性の良い子で」
「……なにを…言ってるんですか?」
未だに事情が飲み込めないまま。
1人嬉しそうに笑ってる変質者。
?「俺を選んでくれてありがとう。 この魔法は12時を超えても消えないんだ。 だから自信を持って大切な日を素敵に過ごしてね」
「は………はい?」
くしゃっ、と無邪気な笑顔を見せた彼に、不覚にもドキッとしてしまったのは…たぶん気のせいだよね。
そして、その直後。信じられないことに…
「っ?!」
彼はその場で輝く光の粒に姿を変えた。
それが私の手の中に一瞬で集まって……
眩しくて目を閉じた瞬間、光の塊は薬局で買ったあのリップに姿を変えていた。
「…………」
何かの夢を見たんだ……きっと。
リップが喋るわけないし、人間の形になるわけない。私、幻覚を見ちゃうくらい疲れてるんだ。
−−
その後、約束の時間に男性と予定通りに食事をして、良いムードのまま帰る時間になった。
時刻は日付を跨いだ深夜0時10分。
*「なんかこないだ会った時と雰囲気が違って、ドキドキした」
「えっ…そうかな?」
*「なんだろ…うまく言えないけど……すごく綺麗で緊張した」
「そんな……ありがと」
綺麗だなんて滅多に言われないから恥ずかしいや。
*「良かったら、また会ってくれる? 今度は…休みの日にゆっくり会いたい」
「あ、うん……私も…そうしたいな」
*「ほんと?!……嬉しい」
なんだろう。いつもは恋愛に奥手なんだけど、今日は勇気を出して色々話も出来たし、素敵な夜を過ごせた気がする。
あのリップを塗ったからかな。
不思議な幻覚を見たけど、あのお陰で少し自分を変えられた気がした。
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3-1 *Muah Muah 続 - Daiki.A - 涼介side→←2-1 *Muah Muah - Daiki.A
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有岡担 - もちもちさん» はい!待ってます!大人編もみたいです。しつこくて申し訳ないです。すいません! (2020年6月14日 0時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
亜衣(プロフ) - 変態としては大人編も見てみたいですww (2020年6月13日 7時) (レス) id: 631f81ad5e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 有岡担さん» ありがとうございます。お互い気になってる雰囲気がありつつまだ微妙な距離感なのが書いてて楽しいです♪またいつか機会があれば続きを書きたいと思います。 (2020年6月13日 7時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 主人公と有岡くんのお酒の話の続きがなんかすごく気になります!もし、続きがあれば読みたいです!面白いお話ありがとうございます! (2020年6月13日 0時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 大貴中毒さん» ありがとうございます。私自身も書いていて楽しかったのでそう言って頂けて嬉しいです^_^ (2020年4月13日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年2月6日 15時