短編集 - Daiki.A

8-1『海と初恋 - Daiki.A』 ページ38

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今日は大学の先輩や友達と車を借りて海にやってきた。


同じ高校出身で違う学部の友達・みーちゃんに誘われてきたから、初対面の先輩達に囲まれて、うまくその場に馴染めない人見知り。



「ハァ…」



皆が波打ち際でぎゃーぎゃー言いながらビーチバレーをしてる。


あんな所で遊んでたらボールが波に落ちた時に沖に流されちゃいそうだなぁ…って。海の家のテラス席でひとりぼっちで佇む。


皆が飲んだり食べたりしたゴミを片付けて、風に飛ばされそうな荷物をカゴにまとめて…これじゃ雑用係だよね。


彼氏や彼女がいない人達が集まった合コンのような旅行。


教授や授業の話とか共通の話題を皆がしていても、当然学部の違う私は1人だけ分からないし、空気を壊したくないからずっとニコニコしてた。


自分が人数合わせだとは分かっていたけど、やっぱりこうゆう集まりは苦手だ。





？「どうしたの？」

「え？、あっ…！！」



その姿を見た瞬間、トクンと心臓が跳ねた。立っていたのは、白いパーカーと鮮やかな青のストライプパンツ姿の有岡さん。



「私？ 私に話しかけてます？」

大貴「ははっ…、変なの。Aちゃんしかいないでしょ」



ふふっ…と口角を上げるその顔は私がいつも遠くから見惚れているものと同じ。


どうしよう…
こんな近くで…、しかも2人きりで話すなんて想像もしてなかった。


3年の有岡さんは違う学部の私でもその存在を知っているくらい、学内でも指折りのイケメン。そんな先輩が私に話しかけてるなんて…


それに海仕様の格好はヤバい…カッコ良すぎるし胸元開きすぎだし…



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