短編集 - Daiki.A

7-spin-off-1 ページ34

spin-off
7-1〜7-5話の大貴視点のお話
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- 大貴 side



＊「有岡くん！！」

「はいっ！ ………ん？……はい？」



昇降口で靴を履き替えようとしてたら、知らない人から声を掛けられた。反射的に元気よく返事したけど、廊下を見たら知らない人だったから首を傾げた。


誰？何でこの人、俺の名前知ってんだろ…



＊「急にごめん…、すぐ終わるからいい？」

「え、…あっ、はい。大丈夫ですけど？」



一緒に帰ろうとしてた友達に声を掛けて先に帰ってもらって、俺はロッカーに靴をしまった。


よくよく見るとどっかで見た事ある人だと思ったら、
Aと同じ委員会の3年生か…


昇降口の横にあるブロックに腰掛けて話すことになった。



＊「A Aさんのことで訊きたいことがあって、」

「あぁ…」

＊「付き合ってるの？」

「いや、付き合ってないですよ。近所に住んでて昔から学校が同じで仲良いんです」



またか。
昔から多いんだよなぁ……


Aは美人なわけじゃないけど結構モテる。


素朴な可愛さというか…
ちょっと抜けてて男心擽る性格。


肌が透き通ってて綺麗で、胸もまぁまぁ大きいし、中学になった頃から俺はよく男子から相談を受けるようになった。



「付き合ってはいないですけど……、」



俺…あいつのこと好きですよ、って。
言いそうになって飲み込んだ。


もう察してるけど、この空気は……



「Aに告白するんですか…？」

＊「あははっ……そう。有岡くんさ、遠目に見てても彼女と仲良いし、2人が付き合ってるって噂も聞いたから確認しときたかったんだ」



仲良い、とかそうゆうレベルじゃねぇよ。
Aは俺のなんだよ。



「……」



やべっ、もしかして顔に出た…？


先輩が俺の顔見て、薄っすら笑った。



＊「まぁフラれると思うから当たって砕ける気だけど。それまでは内緒にしといてね」

「…それはもちろん。分かってますよ」



なんなんだ……
振られると思ってんなら告白なんかすんなよ。


なんてな。
…そう思うのは、
その勇気が羨ましかったからかもしれない。



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7-spin-off-2→←7-5 ［完］

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