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後日、同じサッカー部のマネージャーである友達にこっそり相談をしてみた。
*「え? 冷たい? 嘘でしょ……あの優しい有岡くんが? Aがわがままなだけじゃないの〜?」
「違うよ! 絶対そんなことないっ!」
*「あ〜もぉそうやって自分が間違ってないと決めつけてるあたり、怪しいな〜」
ほんと違うってば…
だって…
大切にされてる感じないもん。
2人きりの時全然笑ってくれないし、口調もキツい。
*「きっとAは恋愛経験少ないから男心をわかってないのね〜」
「そうなのかな…」
そんなやり取りをしていたら顧問の先生に友達が呼ばれてグラウンドへ行ってしまい、1人取り残される私。
入れ替わりで汗を腕で拭いながら1人の部員が走ってきた。
彼は、3年の伊野尾先輩。 ベンチのタオルで汗を再度拭き直して私の顔を見た瞬間、ぷっと吹き出した。
慧「ははっ、Aちゃん、顔に土付いてるよ〜。 おっさんみたい」
「へっ?! ど…どこですか?!」
慌てて手の甲で頬やおでこを擦って見てみたけど土が付いている感じはない。
さっきスポーツドリンク飲んだ時にコップに砂ついてたのかな?
恥ずかしくて顔が熱くなる。
慧「そこじゃないよ、ほら………ここ」
そう言って、近付いてきた伊野尾先輩は私の鼻の辺りを指で拭った。 くしゃって柔らかな笑みを浮かべながら。
じゃあねもうヒゲ生やすなよ、って小馬鹿にしたようにケラケラ笑いながら、グラウンドの方へ走っていった。
鼻にはまだ先輩に触られた時の感触が残ってて、頬を手で包んでみると信じられないくらい熱かった。
大貴「A、」
呆然と伊野尾先輩が走っていった先を見つめていたら、後ろの方から声をかけられた。
振り返ると不機嫌そうに眉間にシワを寄せている大貴が立っていた。
白いフェイスタオルを首から提げていて、髪の毛先が濡れてる様子を見ると、どうやら奥の洗い場で顔を洗って戻ってきたところみたい。
大貴「今……いのちゃんと何してた?」
「何って……別に大したことじゃないけど、」
大貴「触られて赤くなっちゃってさ………嬉しかったわけ?」
「なっ……見てたんだ」
数十秒前の先輩とのやり取りを思い出すと、自分のアホさ加減にまた顔が熱くなった。
呆れた表情でベンチにあったスポーツドリンクを飲んでいた大貴がコップをベンチに置いて私の方へ歩いてきた。
大貴「…来い」
「えっ……」
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有岡担 - もちもちさん» はい!待ってます!大人編もみたいです。しつこくて申し訳ないです。すいません! (2020年6月14日 0時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
亜衣(プロフ) - 変態としては大人編も見てみたいですww (2020年6月13日 7時) (レス) id: 631f81ad5e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 有岡担さん» ありがとうございます。お互い気になってる雰囲気がありつつまだ微妙な距離感なのが書いてて楽しいです♪またいつか機会があれば続きを書きたいと思います。 (2020年6月13日 7時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - 主人公と有岡くんのお酒の話の続きがなんかすごく気になります!もし、続きがあれば読みたいです!面白いお話ありがとうございます! (2020年6月13日 0時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 大貴中毒さん» ありがとうございます。私自身も書いていて楽しかったのでそう言って頂けて嬉しいです^_^ (2020年4月13日 8時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年2月6日 15時