A-18 ページ46
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お母さんにお兄ちゃんとの関係を許してもらってから1週間が経って、期末試験のすべての科目の結果が返ってきた。
どの科目も平均よりずっと上で、苦手だった英語と数学では初めて80点以上を取った。
これは圭人やちーちゃんが勉強を教えてくれたお陰。感謝しないとね。
それにお兄ちゃんの引越しの件を、時期を見て内緒にしていたお母さん達にも感謝しないと。
試験前に聞かされてたらショックでどうなっていたことやら……
A試験の成績良かったよ!
授業の合間に家族のグループトークにメッセージを送ってみた。
A今日そっち行ってもいい?
お兄ちゃんにメッセージを送った。
試験のこと直接褒めてもらいたくて。
偉いね、って頭撫でてくれるかな……なんて。
優しく笑うお兄ちゃんを想像しただけで顔が少し熱くなった。
侑 李「なに1人でニヤけてんの?」
頭上から声がして、顔を上げたらちーちゃん達が私の席の周りを取り囲んでて、慌ててスマホの画面を伏せた。
〜♪
スマホが振動したから、手で隠しながらまた画面を見た。
大貴今日は塾で遅いからダメ
そっか……お兄ちゃん、住む場所が変わっても相変わらず忙しいんだ。当たり前か。
穂花「あ、今度はしょぼんって顔になった」
(´・ω・`)
こんな顔してる、って前の黒板に顔文字を書いた穂花。
涼介は爆笑してるし、圭人も吹き出してる。ちーちゃんはそのおふざけの落書きに参加し始めた。
「もう……そんな顔してないもん」
〜♪
またメッセージ受信音が鳴った。
開きっぱなしだったお兄ちゃんとのトーク画面には新規メッセージは無くて、トークの一覧ページに戻ったところに通知があった。
慧突然だけど今日の夜空いてる? 21時くらいかなぁ。出来れば知 念も居て欲しい
慧先輩からだった。
前からお兄ちゃんと実優先輩の関係について話をしてくれる約束をしていたのに、最近まではぐらかされていた。
急にどうしたんだろ……
しかも指定してきた時間は結構遅め。
「ちーちゃん、あの……相談があるんだけど」
侑 李「ん? 相談料高いよ?」
チョークが付いた手をパタパタと叩きながら、教壇から降りてきたちーちゃん。
「購買のパン1個!」
侑 李「ん〜、まぁそれで手を打とうか」
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月2日 22時