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A-16 ページ36

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明らかにさっきと反応が違う。



私が思い浮かべているのは昼間の光景。



大貴「…………」

「…………」



なんだろう。この沈黙。



何を考えてるのかな。



私の緊張が伝わらないように……
真横で騒がしく鳴り続けるゲームのBGMが静かにならないことを祈った。



お兄ちゃんの視線はゲーム機から外れて、明らかに泳いでいた。



まばたきの数が急に増えたのはゲームで目が乾いたから……?










大貴「……………それもアウトだな」


「…………そっか」



お兄ちゃんはその後、何も言葉を発さなくなった。



私も気まずくなって何も訊かなかった……
ううん、訊けなかった。



『昼間、実優先輩と仲よさそうに手繋いでたね?』



…そう訊けたらいいのに。
いや、嫌だなそんな訊き方するのは。



手を繋ぐのがダメなら、今日のお兄ちゃんはアウトだね。

…心の中でそう呟いた。











そういえば今日の放課後……慧先輩が何か言いかけてた。



実優先輩とお兄ちゃんがまだ付き合ってるのか訊いた時、



(慧「ーー Aちゃん知らないんだ」)



知らない……って何のことだろう。



お兄ちゃんに背を向けて、枕元にあったスマホを取り出した。



まずは、お兄ちゃんとゲームで対戦中のちーちゃんに……

Aお兄ちゃんがムカつくからぼこぼこにしちゃっていいよ



そして、慧先輩に……


A実優先輩とお兄ちゃんのこと、何か知ってますか?



〜♪



ものの数分でメッセージ受信音が鳴った。



侑 李何?もう喧嘩したの?仲がよろしいようで



「よろしくないっ!!」


大貴「は?……な、…なに?」



ちーちゃんのメッセージにイラッとしてつい声に出してツッコんじゃった。



横にいたお兄ちゃんが不審がってこっちを見てきた。



〜♪

もう一度メッセージ受信音が鳴った。



知ってるけど教えちゃったら俺ただじゃ済まなそう

Aそこをなんとか!

仕方ないなぁ、後悔しても知らないよ?

今度教えてあげる




慧先輩ってこういう時すごく楽しそうなんだよね。



感情が伝わらない文章でのやり取りなのに、画面の向こう側でニヤニヤしてる先輩が容易に想像出来る。



大貴「あぁっ! 手加減しろよなぁ……」



お兄ちゃんが隣で悔しがる声を聞きながら眠りに落ちた。



.

A-17 侑 李side→←A-15



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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月2日 22時

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