A-15 ページ35
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寒くなってきたから、お母さんが鍋を作ってくれて、それを3人で食べて温まった。
お父さんが寂しがるから、って言ってお母さんは夜遅い時間に家に帰っていった。
なんだか気を遣われちゃったかも…
お母さんがいるのにあんなにイチャイチャしちゃって。 思い出すだけでちょっと恥ずかしい……
昨日と同じように布団を並べて敷いて、寝っ転がる私達。
大貴「この布団、身体痛くない？ ベッドに慣れちゃってるからかな」
うつ伏せで枕を胸元に抱えた状態で携帯ゲームをしてるお兄ちゃん。 スマホを開きっぱなしで布団の上に置いていて、ゲームのキリがいいタイミングでメッセージを送ってる。
大貴「あっ！ くそぉ、あいつ容赦ねぇな……」
チラッとお兄ちゃんのスマホを盗み見たら、相手の名前の欄に “○○ 侑 李” の文字。
ぶつぶつと独り言を言ってるお兄ちゃんを隣で眺めていた。
ちーちゃんとオンラインゲームやってるのか……
目を閉じると思い出すのは、実優先輩とお兄ちゃんが学校で手を繋いでいた光景。
あんなに大勢の生徒がいる中で身体を密着させてた…
いかにも、俺ら付き合ってます、って雰囲気出しちゃって。
近くにいた先輩らしき人達と話してたっけ。 そういえば、前に私のことを呼び出した佐藤先輩がその中にいた気がする。 確か実優先輩と仲良しなんだよね。
今思えば、おかしいことばかり。
佐藤先輩から “お兄ちゃんと距離を置いて” って忠告された直後に、実優先輩がお兄ちゃんと別れたって報告されたんだもん。
実優先輩と……まだ続いてたってこと？
「ね……ねぇ……」
大貴「ん？ なに？」
ゲーム機に視線を向けたまま。その視線を私の方には向けてくれない。
「お兄ちゃんはさ、どこからが浮気だと思う？」
大貴「なにそれ……」
「例えばさ……私がクラスの男子と内緒でキスしてたらそれは浮気？」
大貴「そんなん完全にアウトでしょ」
眉間にシワ寄せて少しムッとしたけど、それでも視線はゲーム機に落としたまま。
こっちを見て欲しくて真横まで転がった。
ゲーム機のすぐ横に顔をくっ付けてお兄ちゃんを見上げた。
なんだよ…邪魔、って不機嫌そう。ちょっと不貞腐れてる。
「じゃあ…………手を繋ぐのは？」
心臓の音が聞こえちゃいそうなくらいバクバク鳴りだした。
忙しなく動いていたお兄ちゃんの手が突然止まった。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年11月2日 22時
