B-11 ページ33
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涼介達が心配してるから涙止めなきゃ、って思ってるのに。
受けたショックがあまりに大きくて…
時折、ごめんね…ごめんね、って2人に謝りながらテーブルに伏せてしばらく泣いていた。
ーー
穂花「落ち着いた? ごめんね……私、Aの気持ちに全然気付けなくて」
なぜか涙ぐんでる穂花。私に抱きついてきて今度は穂花が泣き出した。
いつもなにかと騒がしい涼介が、今日に限って私が泣いてる間ずっと静かだった。
泣き出してしまった穂花を今度は私がなだめる形になって、助けを求めるように涼介を見たら眉をハの字にして肩をすくめてる。
涼介「そんな気はしてたけど……まさか、って思ってたんだよね」
「ごめん、色々内緒にしてたんだ。
うちの親、連れ子同士の再婚でね、ーー」
兄妹なのに恋愛対象として見てるなんて… ってひかれる覚悟で全部話した。
ただ一つ……
お兄ちゃんと交際してることを除いて。
案外冷静に聞いてくれた2人。
穂花「えっ、そしたらさ……結婚出来るってこと? 子供も作れるってこと?」
私の肩に顔を埋めてた穂花が、ぐちゃぐちゃになった顔を拭いて腕を揺さぶってきた。
涼介「ぶふっ…ゲホゴホ…、」
コップの水を飲んでいた涼介が吹き出してむせた。慌てて近くにあったテーブルナプキンを渡す。
涼介「穂花、何言ってんの……俺らまだそんな歳じゃないでしょ」
穂花「分かってるよ!いつかの話!!
好きになっちゃいけない人じゃないってことでしょ?」
あのね、そんな話じゃないの。
もうその問題は解決したはずだったの。
親に了承をもらって、私達はもう “兄妹” じゃなくて、“恋人” になった。
はずなのに……
そう思ってたのは…私だけだったのかな。
ーー
心配してどこまでも付いて来ようとする穂花。 涼介が引き止めてくれて駅でなんとか別れた。
もちろん、今日は自分の家に帰る。
家の最寄駅に着いて改札をくぐったとこで、後ろから肩をぽんぽん、って叩かれた。
振り返った先にいたのは……
その姿を見るだけでなぜか安堵する不思議な存在。
侑 李「涼介から連絡もらったの。 Aのこと待っててやってくれって」
ちょうどサッカー部の練習帰りだったみたいで、大きいバッグを担いでる。
穂花に悪いと思いつつ、抱きついた。
部活帰りだから汚れてんだけどな〜、ってちーちゃんはちょっと嫌そうに笑った。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月2日 22時