B-8 ページ28
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実優「そろそろ行かないとだよ〜」
あっ、実優先輩だ。
ちーちゃんとじゃれ合ってた先輩の肩を叩いて、横からひょこっと現れた実優先輩。
最近、図書委員の当番で頻繁に会う。
元彼の妹……しかも恋愛感情を抱いてることを知られてたから、あの頃からずっと気まずいなって思っていたのに、全く心の壁を作らずに接してくれる。
本当に良い人だな、って思う。
お兄ちゃんが付き合ってた人だもん。良い人に決まってるよね。
凝視していたせいか、私に気付いてパァァ、って明るい笑顔でこちらに手を振ってる。
穂花「いやぁ…今日も可愛いねぇ嶋田先輩。 あのマネージャーさんがあんまり可愛くなくて良かった!」
なにそれ。
ほっぺ膨らませて明らかに妬いてる穂花。
そんな姿も可愛いから、後でこのことをちーちゃんに伝えとこう。
穂花「嶋田先輩はさすがモテ男の彼女って感じじゃない?」
「んっ? モテ男? 彼女?」
穂花「え、あなたのお兄ちゃんのことだよ。 別れたって噂あったけど嘘らしいじゃん? 妹なのに知らないの?」
「………え? ご、ごめん…詳しく教えて?」
変な冷や汗が出てきた。
そんなわけ……ないじゃん。
穂花「なんかさ、最近一緒に帰ってるらしいよ? 家の方向真逆なのに同じ電車乗ってどっか行ってるって目撃情報があったみたい」
嶋田先輩ってうちの伯母さんちと同じ方向だからだ。
あ、というか……偶然だろうけど最寄り駅も一緒だった気がする。だとしたらそれは一緒に帰ってるだけだよね。
穂花「最近、手繋いで歩いてるとこ見た人もいたって聞いたよ」
「はっ?! ……う……嘘だよ…そんなわけ、」
穂花「……A? なんでそんなショック受けてんの?」
うそうそ…なにかの間違いだよ。
侑 李「どしたの?」
穂花「あ、侑 李。 ねぇねぇマネージャーさんとベタベタし過ぎだよぉ!」
侑 李「あの人は皆にあんな感じなの。 あと彼氏いるから大丈夫だってば」
穂花「彼氏や彼女がいても、異性に気を持たせるようなことする人はいるの! 私はそういうの嫌なの!」
うっ……
穂花の言葉が妙に心に引っかかった。
ハッキリと気持ちを伝えるタイプの穂花に、ちーちゃんはなんだか困惑してるけどでも拗れることはなさそう。
実優先輩とお兄ちゃんが……続いてる?
そんなはずないけど……
私もちゃんと問いただすべきなのかな……
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月2日 22時