A-12 ページ22
.
大貴「今伯母さんちにいるみたいだからさ、皆でご飯食べようよ。 そんで母さんが、いいよって言ったら泊まればいいじゃん」
ね？それで良いでしょ？ ってワクワクした様子。
「ふふっ……本当は来て欲しかったんだ？」
大貴「……は？
っ………お前、さては調子乗ってんな？！」
両方のほっぺをつねられて、
いひゃい〜、って悶えたら顔を赤らめながら笑うお兄ちゃんが見えた。
小さいの頃から変わらないくだらないやり取り。
これから先もずっと出来るよね？
お兄ちゃんの顔からは、私が電車に乗り込んだ時のあの寂しそうな表情は消えていた。
反対側の電車が到着して、人混みの中お兄ちゃんに手を繋がれた。
高校の最寄り駅だから部活帰りの人とかいるかもしれないのに……
「あの……誰かに見られてるかも……」
大貴「えっ？ 何？ 聞こえない！！」
そう言いながら指を更に絡めるように恋人繋ぎにしたお兄ちゃん。
満員電車の中……
身体が密着して顔が熱くなった私を見て、
すげぇ真っ赤…、って小声で笑うお兄ちゃん。
恥ずかしさを誤魔化すためにお兄ちゃんのお腹を全力で殴った。
ーー
大貴「ただいま〜！」
昨日も泊まった伯母さんちにまた来てしまった私。
母「あら、ただいまなんて……もうここに馴染んじゃった？」
リビングから声が聞こえたから、お兄ちゃんの横をすり抜けて先に中へ入った。
「お……お母さんっ！！ 昨日はごめんなさいっ！！」
リビングに入った瞬間に頭を深く下げて謝った。
頭を上げたらお母さんと目が合って泣きそうになったけど、下唇をグッと噛んで堪える。
今泣いたら負け……
感情的になっちゃダメ……
母「……大貴、牛乳無いから買ってきてくれる？」
大貴「はっ？ それならさっきメッセージ送ってよ！」
母「今気付いたの！いいからあんたは出てって！！」
ちぇ〜なんだよぉ…、とかブツブツ言いながら、お母さんから財布を受け取って出て行くお兄ちゃん。
いじけ方が小学生みたい。
お母さんがお茶を取り出す為に冷蔵庫を開けた時、牛乳パックが2本見えた。
母「お話ししましょうか」
コップにお茶を汲んでテーブルに置き、椅子を指差す。
手洗いうがいを済ませて、お母さんの正面に座った。
＊次へ
(この下にあるボタンから続きを読まないで下さい)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年11月2日 22時
