A-7 ページ17
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「や…やめようよ……なんか目、つけられそうだよ？」
穂花にこっそり耳打ちしたけど、そんなことは気にしていない様子。
慧先輩を目当てにしてる先輩達に目をつけられたら怖そうなんだもん。既にちょっと痛い視線を感じる。
光「だいちゃ〜ん！ いけー！」
「っ！」
慧先輩や女子生徒の方に気を取られていて、バスケをしている男子生徒を見ていなかった。
“だいちゃん” という単語に反応して、声のした方向を見たら4人の男子がバスケをしてる最中。
その中にいたお兄ちゃん。
姿勢を下げた状態でドリブルしながら、目の前に立ちはだかる相手を素早く躱して、ゴール下まで走る。
わっ……かっこいい……
ジャンプしながら投げたボールは、ゴールの縁をくるりと1周回って……
中に入らずに外へ落ちた。
大貴「だぁ〜っ！ くっそぉ〜！！」
光「あ〜！ もうさっきからなにやってんだよ〜」
12月の寒い校庭で、ワイシャツを肘まで捲ってる姿は見てるだけで寒い。
当の本人は腕で汗を拭ってるくらいだから暑いみたいだけど。
汗でおでこに貼りついた前髪。それを首を振って直すあの仕草が色っぽくて好き。
かっこいいなぁ、て見惚れていると胸がどきどきとうるさくなる。
タイヤの上で足を組んでそれを眺めている慧先輩は、黒いダッフルコートを着て、紺色のマフラーに顔を埋めている。
寒さ対策ばっちりの完全防備。
慧「大ちゃんね、さっきから全然決められてないの。 Aちゃん応援してあげて〜」
ふぁあ、とあくびをしてる。
「あ……あれ？ 穂花？」
気付くと穂花が傍からいなくなっていて、辺りを見回したら遠くの方にいるサッカー部を見学していた。
あぁ、ちーちゃんを見に行ったのか。
男子生徒「お〜い！有 岡〜！！！」
「っ？！」
校舎から大きな声で呼ばれて振り向くと、3階からこちらに向かって大きく手を振る男子生徒が見えた。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年11月2日 22時
