二人のゲーム

10 ページ11

一輝「A、何が食べたい？何でも言って、俺が全部払うから」

『いや、自分で払うので…』

友達「いいじゃない！A、奢って貰いなよ」

一輝がニコニコして頼ってという風にこちらを見ている

確かに今月のお小遣いはほとんど好きな漫画やゲームソフトに使いあまり残っていない

でも、飲み物や食べ物を我慢すればなんとか利用料金だけは払える

そう思い、皆が飲み物や食べ物を頼む中私だけ何も頼まないでいたのが

一輝が不審に思ったのかさっきから

一輝「A、頼まないの？もしかして財布忘れちゃった？俺、Aの分も払うから遠慮しないでいいよ？」

なんてことをずっと言ってくる

友達は

「一輝紳士過ぎてやばっ」

とか

「一輝はAのこと好きなんじゃない？」

なんて騒いでいる

私だって一輝と仲良くなりたいなんて思っていた時なら

嬉しかったと思う

でも

昼休みにあんな裏の顔を見たらそう簡単に

はい、そうですか。じゃあお言葉に甘えて。

なんて言える訳ない

絶対に。

「この前奢ったから…」

を口実に私に何か利用するはずだ

突然

「俺の彼氏になってください」

と言った人のことだから…

…

…

…友達として奢って欲しかったな…

この想いが届くはずないけど。

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す