【刀剣乱舞】魔女、元ブラック本丸の審神者です。 (ページ10)

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初見ページ10

『此処が江戸の新橋かぁ……！』

一週間後。

私も同行する任務の日となった。何だかんだ言って鶴丸国永もついて来ている。ただ、私と喋ろうとはしない。今だって私たちの間はかなりの距離が開いている。

秋田「主君、どうですか？この景色」

『栄えててとっても賑やかだね。楽しそう』

街から少し離れた人気の無い林から、初めて見る光景に思わず目を輝かせる。

全て本で読んだことがあるものばかりだった。

『ねぇ、男性が人を乗せて引いているものは何？』

秋田「あれは人力車って言うんですよ。文字通り、人の力だけで人を乗せて走るんです。交通手段として使っていました」

清光「そっか。主はこの世界のものは初めて見るんだっけ？」

『うん。全部本でしか見たことないからすっごく興奮してる。魔法界と人間界は同じ日本ではあるけど、作り上げてきた歴史が根本から違うから知らないものばかりだよ。着物って言うんだっけ？それを着てみたいの！』

石切丸「それじゃあ今度、着物を着てお出掛けしようか」

こんのすけ「審神者様！遊びに来たのではないんですよ！」

和気あいあいとした空気の中、肩に乗っていたこんのすけが水を差す。

『あはは。ごめん。嬉しくてつい』

今剣「もうすぐていこくになります。はいちにつきましょう」

先程までの和やかな空気とは一変し、私の中で緊張が走る。

『みんな、気を付けて』

彼らと距離の離れた木の陰に隠れて見守る。

やがて時間となり、時間遡行軍が現れる。

時間遡行軍……相変わらず禍々しいな……

響く金属音。飛び散る血肉。

これが、彼らの戦闘……

ごくりと息を呑み、瞬きをすることすら忘れて視察を続ける。

グロテスクなはずなのに、不思議と魅入ってしまっていた。