【刀剣乱舞】魔女、元ブラック本丸の審神者です。 (ページ17)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:36,394 hit

お礼ページ17

骨喰「終わったな」

検非違使を全滅させると、淡々とした口調で鞘に本体を収める骨喰。

みんな結構怪我してたのに、本気出したらあんなに強いんだ……

石切丸「検非違使も無事全て倒したことだし、本丸に帰ろうか」

秋田「こんなに汚して、きっと歌仙さんに怒られてしまいますね」

今剣「あるじさま、どうしたんですか？」

ちっとも立つ気配の無い私を見て、コテンと首を傾げる今剣。

『あの……腰が抜けて、立てないの……』

清光「もー、何してんの。ほら」

呆れたように笑う清光の差し出された手を取り、支えられながら立ち上がる。

踏み込んだ右足に激痛が走った。足を捻ったことをすっかり忘れていたのだ。

それでも表情は変えずにいつも通りに振る舞う。

『本丸に帰る前に、箒を探して来てもいいかな？何処かで落としちゃったの』

鶴丸「君」

先程まで口を固く閉ざしていた鶴丸国永が突然話しかけてきた。しかし何故か不機嫌そうである。

『何……わぁっ！？』

突然身体が宙に浮く。鶴丸国永におんぶをされたのだ。

『なっ……！えっ……！？』

鶴丸「俺たちは先に歩いている。箒探しは頼んだぞ。そんなに広くは無いからすぐに見つかるだろう」

そう言うと、私を背負ってさっさと歩き始める鶴丸国永。

『あの……ありがとう』

鶴丸「すまなかった」

鶴丸国永の口から出た謝罪に驚きが隠せない。

鶴丸「君に色々酷いことをした。どうせ君も、俺たちを道具としか見ていないと思っていた。私利私欲のためだけに利用すると思っていた」

物と言えど彼らは付喪神だ。ぞんざいに扱う方が難しい。

鶴丸「自分の命を顧みず囮になるとは……驚かせてもらったぜ」

私の行動を思い出し、くすくすと笑う鶴丸国永。

何を笑っているんだ。こっちは生きるか死ぬかの瀬戸際だったというのに。

鶴丸「それから、足を捻ってるだろ」

突然の不意打ちに声が小さくなる。

鶴丸「こんなに腫れて……よくもまぁこんな状態で歩けたな」

ちらりと自身の足首を見ると紫色に腫れていた。

鶴丸「だが、君のおかげで今剣も無事だ。感謝している」

優しい声色だった。

その言葉を皮切りに緊張が解け、一気に疲れが押し寄せてきた。

何だか眠いなぁ。

瞼が重くなり、いつの間にか私は鶴丸の暖かい背中の中で眠りに落ちていた。

鶴丸「ぐっすり眠れよ。主」

鶴丸が優しく微笑んでいることなど知らずに。