「理解」でいいなら苦労しない【H×H】 (ページ8)

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　結果、「来ちゃったものはしょうがないからとりあえず受けてみることにした」という「考えなしの命知らず」のレッテルを私に貼ることでこの話は終わった。会話の中から察するに、ハンターという職業は知らぬ人はいないといわれるくらいの職業で、そのライセンスを取るには命を落とす者もいるといわれるこのハンター試験に合格しなければならない、といった感じだろう。命云々はこの一次試験の前にも言われているので知っていたから大丈夫。この世界で命を落とすことで元の世界に帰れる、という可能性も捨てきれなかったからだ。ただ、そこまで有名な職業だということは知らなかった。

　その後、ゴンくんとキルアくんの志望理由も聞いた。ゴンくんは「父親が魅入られたハンターという職業を知りたかったから」で、キルアくんは「ハンター試験が難関だと聞いていたから」。なにか理由があるだけいいのだろう。行き当たりばったりの私よりは。

　そうなるとクラピカさんとレオリオさんの理由も気になるなあ、なんて思ったところで眩しい光が視界に飛び込んできた。

「ゴールだ！」

　ゴンくんの明るい声。これを合図にゴンくんとキルアくんのスピードが上がった。この二人すごいな。私は魔法補正をつけてもこれ以上スピードを上げられる気はしないのに。

　二人に遅れて私もゴール。その直後にクラピカさんととんでもなく服の乱れたレオリオさんがゴール。あれ、いつの間にそんな格好になったのレオリオさん。よく見たら最初に持っていたカバンがなくなっていた。いったいどこに、と思ったらゴンくんが持っていた。魔法をかけてるときになにも言われなかったから、そのときになにかあったのかな。知らないけど。

　試験官のサトツさん曰く、二次試験が始まるまでは休憩しても良いとのこと。ふう、と気を緩めると同時に魔法が解けた。同時に襲ってくる倦怠感。体力がからっきしになったからだ。

「わ……」

　力が入らなくなって、私は膝から崩れ落ちた。ぶわっと上がる体温。堰を切ったように溢れる汗。肺を握りつぶされているみたいに、息が入ってこない。正直、上半身を上げているのもしんどい。私は少し周りを見て、そのまま横になった。

「だ、大丈夫！？」

　ゴンくんの声だ。なけなしの体力を駆使してなんとか頷く。彼の後ろから、キルアくんが顔を覗かせた。ゴンくんが「途中辛そうだったのに、よく頑張ったね」と言ってくれた。いや嬉しいけど、もっと言うことがあるでしょう。