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私の一言で、明らかに四人の顔が歪んだ。
ま、待てA、とクラピカさんが焦りと驚きを隠さずに私の名前を呼ぶ。
「そ、その魔法は確実なのか？」
「そんなわけないじゃないですか」
首を横に振って見せると、さらにみんなの表情が険しくなった。特にレオリオさん。せっかくなら追い打ちをかけよう。どれだけ私の扱える魔法が万能ではないのかを知ってもらえるいい機会だ。信用してくれるかは別だけど。
「そうですねぇ……もし虫を使って失敗したら、レオリオさんの血管や皮膚が虫になっちゃうかも」
割とマジな話、今のレオリオさんは外傷ってよりも内傷だから十分ありえる。
「今はそれっぽいのが出なくても、次また怪我したときに皮膚が黒光りしたーとかはあるかもしれないです」
もちろんそれは、黒光りした見た目の虫を使ったときの話だけど。
レオリオさんの顔がどんどん青くなっていく。想像してしまったのだろう。一応、犬や猫でも平気ですよと言ってみる。もちろん、将来的に皮膚が犬や猫になってしまうことも足した。
「まあでもここには犬も猫もいませんから、やっぱり虫が一番現実的かもしれませんね」
私がそう結論付けたところで今度はゴンくんが口をはさんだ。
「待って、人の身体でもいいんだよね？ オレがその
やっぱりそう来たか。ありがとうゴンくん、その質問を待っていました。
「できるよ」
ゴンくんを始めとした、みんなの表情が明るくなる。しかし、それも束の間。「でも、」
「一つの動物の身体に命は一つしかいられない。たとえ部分的な治癒魔法であってもね。つまり、もしゴンくんが
ゴンくんは死ななきゃいけない。
「……」
沈む空気。でも仕方がない。それが現実。
「……じゃあいーよ」
レオリオさんがゆっくりと背もたれにしていた木から身体を離して起こしていく。
「元々命に関わる事態でもねぇしな。こんくらい、すぐに治るさ」
「うん、それが賢明だと思う」
ふう、と息をついて魔法辞典を閉じる。それをブレザーにしまっていると、ゴンくんが後頭部に両手をあてて、ガッカリとした表情を見せた。
「仕方ないってわかってても、ちょっとだけ残念だな。思ってたのと違うっていうか……」
すぐに「全然Aが悪いとかじゃなくてね！」と弁解してくれたが、私自身、彼の言うことはわからんでもなかった。
続く (更新停止中)
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作者名：敷 | 作成日時：2019年8月22日 21時
