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もし、本当にAが幽霊だったとしたら、Aは僕が生き返った理由が分かるかもしれない。トントンに頼んでみるか。
「トン氏、Aに聞いてみて欲しい」
tn「何を…って聞かなくてもいいか。分かった、遠回しに聞いてみるか」
「ありがと。何か分かったら連絡してくれ。今からエミさんのとこ行ってくる」
tn「気ぃつけてな。シッマは着いてくんか？」
スマホを見ているシッマに問う。
シッマは一瞬こっちを見たけど、結局スマホを見ながら答える。
kn「そりゃ当たり前やろ。今エミさんにそっち行っていいか聞いたら良いって返ってきた」
「根回し早いな、ありがとさん」
kn「よし、頼んだでトントン。じゃ、俺らはエミさんとこ行くから」
シッマに促されトントンの家を出る。
エミさんは確か、本屋…いや図書館……？いや、書庫だっけか……みたいなのを経営してたはず。
トン氏のヒントから推測するに、僕はエミさんのとこで調べものをしていた。それが、魔法に関することなのか？
kn「大先生、何か分かったか？」
「いや、全く分からん。トン氏も教えてくれても良かったやろ、って思うレベル」
kn「多分、大先生に自力で思い出して欲しかったんやろ」
「それは分かっとるけど」
…分かっとるけど。
何も分からない今、ヒントくらいくれたって良いやろ、なんて、変な期待したくなる。
.
em「おや、お久しぶりですね」
「…そんな驚かないんか」
em「コネシマさんから話は聞いたので。…で、何でしたっけ、用件」
「僕が死ぬ前、何してたっけって話」
ほんの少しだけ、エミさんの表情が歪んだ。
トン氏の言う通り、エミさんがヒントなのは確定やな。
em「…Aさんが以前ここにいらしたとき、彼女は魔法使いについての本を読んでおられました。それで私に、『実話ですか？』と問われた」
「実話、だったんやな」
em「はい。……魔法使いは、一度大きな魔法を使えばもう魔法使いでいられなくなる。彼女はそれを知った」
…何か引っ掛かる。
これがヒントになったのは分かる。
でも、それだけじゃない気がする。
＿＿＿＿「生き返りたいとか、思わんの？」
「………っ、」
明らかに僕の声。
僕は、Aに生き返りたいかを聞いた。
つまり、Aは一回死んでいた？
僕が、彼女を生き返らせたのか？
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作者名：黒猫 | 作成日時：2019年3月5日 21時
