22話 ページ23
「A、あんたにお客さん、なんだけど」
「お客…?」
「モトキ、って人。大学生らしいんだけど、知ってる?」
知ってるも何も、今正にその人の事を考えていた。
お母さんには、知ってるよとだけ言う
私に大学生の知り合いがいた事に驚いたのか、それともどんな伝手で知り合ったのかを訝しがっているのか、何とも奇妙な顔で私の事を見るお母さん
「…今、大丈夫そうだったら出掛けたいです、って言ってるんだけど」
「え、」
私も、モトキさんに会いたいと思っていた
会って、とにかく私の複雑になってしまった心境を吐露したいって
でも、いざ向こうから来てくれたのに私は迷っていた。
このまま、モトキさんに会ってもいいのかって
今モトキさんに会ってしまったら、私はきっと変わってしまう。
それが良い方向なのか悪い方向なのかは私には全く分からないけど
…私は、変わるのが怖い。今の自分から違う自分になって、また誰かに否定されるのが怖かった。
それに現実的な話をすると、私は今日学校を休んでいるのだ。それなのに外出するというのは憚られる。
あれこれ、出かける事を断る理由を探す。
それでもはっきり断らないのは、きっと私の中で行きたいって気持ちもあったからだと思う
何も言わない私
それを見かねたのか、お母さんが口を開く
「…言ってきたら?」
「…え?」
いつも決め事には厳しいお母さんの言葉とは思えない発言
きょとんとしている私の心境を察したのか、お母さんは続ける
「実は私、Aの事が少し心配だったのよ。だって学校の事はおろか日常の些細な出来事さえ全く話してくれないんだもの。この子は本以外で何も楽しいって思っていないんじゃないかって心配だった。
でも、最近のAは楽しそうに自分の事を話してくれるから、私本当に嬉しかったの。自分の娘がこんなに笑う子なんだって、初めて気付けたから。
…でも、昨日のAは可笑しかったわ。問いただそうともしたけど、Aって自分の悩みとかは私達には全く話してくれないし、…あの、前の件も私達が偶然その現場を見たから分かった事だし。だから今回も無理に聞いたらAの傷を抉るだけだって思ってたから、何も聞かなかったの。
……あの大学生さんとはどうやって知り合ったのかはわからないけど、でもAが明るくなったのって、きっとあの人のお陰なんでしょう?」
終わり←21話
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璃愛(プロフ) - 文才が半端ないですね…!!ちょっと泣きそうになりました(笑)お気に入りに追加させて頂きました!更新頑張ってください!! (2016年11月15日 22時) (レス) id: 7a8ff69c7a (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - mayuko*???*??? ??さん» ありがとうございます!現実で、どこにでもいるような女の子を主人公として目指していたので、そう言ってもらえるとついニヤニヤしてしまいます笑 (2016年10月24日 21時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
mayuko*???*??? ??(プロフ) - 結構主人公が自分と似てて共感できるとことか沢山あります!!続き楽しみにしてます! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 36766ad00f (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - 巧斗さん» ありがとうございます。これからもそういってもらえるような小説でいられるように頑張ります! (2016年10月20日 22時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
巧斗(プロフ) - 最高すぎです!! (2016年10月20日 17時) (レス) id: e5b524eabd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勇利 | 作成日時:2016年10月17日 21時