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14話 ページ15

「…Aちゃん、優しいなあ」



「そんな事ありませんよ」



それを言うと、モトキさんの方がうんと優しい



だって、自分は何も悪くないのに私の気持ちを汲んで謝っている



「あの、Aちゃん」



「何でしょう?」



「また別の日に誘ってもいい?」



どうやら、今日はろくに図書館を見れなかったからという事らしい



「はい!」



いつになるか分からないけど



とっても楽しみ。



「じゃあ、今日は送るね」



「え、でも悪いですよ」



「いや。最近少し寒くなってきたし、それに日が落ちるのも早くなってきたから。…Aちゃんに何かあっても嫌だし。だから今日のところは送らせてほしいです」



早口でまくし立てられ



殆ど何も考えずに、私は反射的に首を縦に振っていた



よし、と言って嬉しそうに笑うモトキさん



…私も、今になって冷静になって嬉しい気持ちがこみ上げてくる



だって、モトキさんと短い間とは言え二人きりになれるから



「じゃあ、帰ろっか」



「…はい!」



一緒に、同じ道を歩く



何だかそれだけで嬉しくて、心がじわじわと温かくなっていくのを感じた



…ああ、そっか



「(これが、恋なんだ)」





私、モトキさんの事が好きなんだ









「ありがとうございました。」



「いえいえー」



「…あの、帰りは大丈夫ですか?」



自転車を引くモトキさんを見ると、私の配慮の足りなさを痛感する



急いで来てもあんなに時間がかかったというのに、こっから帰るとなるとどれだけ時間が掛かるか



「大丈夫だよ。ここ、俺の友達の家の近くだし。今日は友達の家に泊めてもらおうかなって思ってる」



「…本当ですか?」



「うん。丁度明日は友達との約束もあったし、逆に良かったよー」



そう言って笑うモトキさんの顔に、全く無理をしている様な様子はなくて



本当なんだな、という事が伝わってきた



「それなら、良かったです」



「うん。それじゃあ、また今度」



軽く私に手を振ってから、モトキさんは背中を向ける



離れて行くモトキさんの背中を見届けてから、自分も家の中に入った。



「A、今日は珍しく遅かったね」



「うん。本読んでたら、こんな時間になってた」



まあ、嘘は言ってない



彼を待っている間、私は確かに本を読んでいたのだから



普段全く嘘をつかない私の事を完全に信用している母は、そんな私の言葉をあっさりと信じる



少しだけ、申し訳なかった。

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設定タグ:Fischer's-フィッシャーズ- , モトキ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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璃愛(プロフ) - 文才が半端ないですね…!!ちょっと泣きそうになりました(笑)お気に入りに追加させて頂きました!更新頑張ってください!! (2016年11月15日 22時) (レス) id: 7a8ff69c7a (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - mayuko*???*??? ??さん» ありがとうございます!現実で、どこにでもいるような女の子を主人公として目指していたので、そう言ってもらえるとついニヤニヤしてしまいます笑 (2016年10月24日 21時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
mayuko*???*??? ??(プロフ) - 結構主人公が自分と似てて共感できるとことか沢山あります!!続き楽しみにしてます! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 36766ad00f (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - 巧斗さん» ありがとうございます。これからもそういってもらえるような小説でいられるように頑張ります! (2016年10月20日 22時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
巧斗(プロフ) - 最高すぎです!! (2016年10月20日 17時) (レス) id: e5b524eabd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:勇利 | 作成日時:2016年10月17日 21時

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