13話 ページ14
「Aちゃん!!」
待っていた声が聞こえた
聞いた事のない本当に焦ったような上ずった声と、はあはあという疲れきったような声だった
「モトキさん、」
ぼさぼさになってしまった髪に、額に流れる汗、口でする荒い呼吸
それは紛れも無く急いでくれた証拠で
「ご、ごめんっ。…っはあ!」
「モトキさん。取り合えず、休みましょう」
疲れきってまともに喋る事もできないモトキさんを図書館から連れ出して、図書館の出入り口のすぐ横にある椅子に坐らせた
折角急いで来てくれたのに本を見ないのは申し訳ないのだが、時計は閉館の3分前を指している
今から周ったとしても、まともに本を見る事はできないだろう
それに、疲れ切っているモトキさんを連れ回す訳にもいくまい
「急いで来てくれて、ありがとうございます。これ、良ければどうぞ」
一言添えて、自販機でかったいろはすをモトキさんに手渡す
ありがとう、と掠れた声でお礼を言うモトキさん
口を付けたいろはすの中身が、凄いスピードで減ってゆく。
本当に喉が渇いていたみたいだ
「…はあ。生き返るー…。ありがとうございます、Aちゃん」
「いえいえ。寧ろこっちがありがとうございます。急いで来てくれて…」
「…それはAちゃんがお礼を言うことじゃないし、俺が謝らなきゃいけないことだよ」
唐突に、モトキさんの敬語が抜ける
それに驚いて私が黙り込んでしまっている間に、モトキさんは更に話を続ける
「遅れて、本当にごめん。いつもこの図書館には自転車で来てるんだけど、途中の道が工事で止められてて…携帯で連絡入れようとしたら、電池切れてた。それで急いで遠回りしてきたら、この時間になってしまいました。」
「え、」
証拠に、とスマホを見せられる
私と色が違うだけの同じスマホは、モトキさんがいくら電源ボタンを弄っても明かりがつく事はなかった。
「本当だ…」
「俺が調べてたらこんな事には…本当にごめんなさい…」
「いえいえ!…来てくれて、本当に嬉しかったんですよ。…それに」
「それに?」
「もしかしたら、モトキさん何か事故にでも巻き込まれたのかもしれないって心配してしまっていたので…安心しました。心配性も、程ほどにしないとですね」
へへへ、と笑ってみせる
杞憂で終わって良かったという安心から来る笑顔だった
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
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西 - この方角に福があるはずです
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璃愛(プロフ) - 文才が半端ないですね…!!ちょっと泣きそうになりました(笑)お気に入りに追加させて頂きました!更新頑張ってください!! (2016年11月15日 22時) (レス) id: 7a8ff69c7a (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - mayuko*???*??? ??さん» ありがとうございます!現実で、どこにでもいるような女の子を主人公として目指していたので、そう言ってもらえるとついニヤニヤしてしまいます笑 (2016年10月24日 21時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
mayuko*???*??? ??(プロフ) - 結構主人公が自分と似てて共感できるとことか沢山あります!!続き楽しみにしてます! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 36766ad00f (このIDを非表示/違反報告)
勇利 - 巧斗さん» ありがとうございます。これからもそういってもらえるような小説でいられるように頑張ります! (2016年10月20日 22時) (レス) id: 7aa2b153b6 (このIDを非表示/違反報告)
巧斗(プロフ) - 最高すぎです!! (2016年10月20日 17時) (レス) id: e5b524eabd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勇利 | 作成日時:2016年10月17日 21時