日常の延長線上に

10話 ページ11

善は急げ、とはよく言ったもので



私は美容院に行くと決断して直ぐに近所の美容院に電話を掛けた



「あ、もしもし。３日後の４時頃に髪の毛のカットをお願いしたいんですけど、大丈夫でしょうか？」



今日は水曜なので、３日後は土曜日で学校が休みだ



学校の皆に騒がれるのは極力後回しにしたいという思いと、でも新しい髪形の感想が聞きたいという思いが入り混じった結果、この日時にしようと決めた



電話した結果、快く大丈夫だという返事がもらえたので、満足だ。



今から土曜日が待ち遠しい。



「(なんて言ってくれるかな…)」



モトキさんは。



そもそも気付いてもらえるかな



できれば、似合うねって言ってほしいなあ



…何なんだろう、この気持ちは



まるでいつか少女漫画で見たような、主人公のようだ。



…あ、れ？



「(もしかして)」



まさか、あの少女漫画の主人公みたいに



恋、してたりするんだろうか



モトキさん相手に



…わからない。



「(わからないよ)」



私は結構幅広く本を読んできたのだが、一つだけ呼んでいないジャンルの本がある



それは、恋愛ものの小説



なんでかって、主人公に感情移入する事ができないからだ



初恋をひきずっている男の子や、年上の先輩に憧れる少女



既婚者との不倫に身を沈める女性や、これから結婚式を迎える男性



そんな色んな主人公達の心境が、まるで理解できないのだ



後悔してもしょうがないじゃないか。結ばれない人の事を想ってもしょうがないじゃないか。なのに、どうして−−−−−−−−−



どうして、自分の今後も省みない程に誰かを想う事に夢中になれるのか



自分がもしかしたら一生得られないんじゃないかとまで感じている感覚をあっさり得られた、小説の中の人達が、もしかしたら私は羨ましかったのかもしれない



…分かるかな



「(私にも、自分の事よりも誰かを大切に想うっていう気持ちが)」



未知の感覚への恐怖と、それを知れるかもしれないというわくわくした感覚が頭の中で混ざり合って、ぐちゃぐちゃになる



でも、一つだけ分かる事は



「(モトキさんに会えば、分かるのかな…)」



私がこんな時まで、モトキさんの事を考えてたという事だけだ

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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