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Aside
1年前、春＿＿＿
＿＿＿僕が初めてそれを見たのは、夕暮れの屋上だった。
憧れだった私立夢ノ咲学院に入学して、数日が経ったとある日の夕暮れ。
僕は、なんとなく屋上へと向かっていた。
その理由は…あれ？なんだったっけ…？
全然覚えてないなぁ…
ただ、なんとなく……心惹かれるままに、屋上への階段を登っていった。
屋上へと続く扉を開いた途端、音の波に飲み込まれたのをよく覚えてる。
音の波が僕にぶつかって、飲み込んでいく。
それに抵抗する間もなく、僕は溺れていくんだ。
そんな水中にいるような感覚の中、ただこれだけが聞こえてきた。
？「＿＿＿"この世は舞台、人はみな役者だ"」
これの前後、何を言っていたのかとんと覚えてない。
なのに、不思議とこの一節だけが、僕の耳に入ってきたんだ。
その一節を口にしたのは、綺麗な髪をした人だった。
僕と同じような…けれどもっと水色に近いような長い銀髪を風に揺らし、胸に手を当て、もう片方の手で台本を持ち、ただ堂々とそこに立つ人。
すっと息を吸って吐き出される言葉が、意志を持って僕にまとわりつく。
そんな、不思議な感覚がした。
…ただただ、凄いと思った。
？「＿＿＿、…おや？」
その人がただ立ち尽くす僕を視界に入れてそう言った瞬間、僕は音の波から解放された。
ざぱっと水から出るような、そんな感じ。
今まで遠くで聞こえてた声や、喧騒が耳に戻る。
その人の藤色の瞳が僕を捕らえて、思わず背筋が伸びた。
『あ、あの…っ』
？「貴方は…？ここは立ち入り禁止ですよぅ？」
柔らかな声が耳を打ったことで、僕の意識がはっと戻る。
『えっ！？ダメなんですか…！？ごめんなさいっ』
慌てたみたいに踵を返そうとした瞬間、僕はその人に腕を掴まれてた。
風に吹かれて、夕焼けを反射した銀髪が僕を包む。
じっと、何者か分からないような瞳に見つめられて、時が止まったかのように感じたけど、それは一瞬の事だったみたいで。
その瞳がすぐにふっと柔らかく細められた。
？「フフフ、構いませんよ☆それで…私に何か御用ですか？」
ゆっくりと目の前の人が僕の腕を離す。
ぱたん、と台本を閉じて。
それを見て、思わず言葉が溢れていた。
『あ！あの…僕も…あなたみたいになれますか…？』
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海月(プロフ) - 久々の更新とても嬉しいです！作者様のペースで大丈夫ですのでお身体に気をつけて更新していってくださいね！応援しております！ (12月12日 17時) (
レス) id: 35dd37fd2f (このIDを非表示/違反報告)
Lemon!?(プロフ) - 久々の投稿めちゃくちゃ嬉しいです！応援してます!! (12月12日 0時) (レス) @page35 id: 1d8fe9d267 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - いちごみるくさん» 本当にお待たせしてしまって申し訳ないです…頑張ります！ (11月22日 17時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます！ゆっくりですが、よろしくお願いします！ (11月22日 17時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 久しぶりの更新に大歓喜です！ありがとうございます！魚さんの書く小説本当に全部好きです！続き楽しみにしています！ (9月21日 18時) (レス) @page33 id: de7f25a96e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年12月16日 20時
