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燐音「A〜！ここに居たのかよ！めっちゃ探したじゃねぇか！…あ？誰こいつ」
書類を片手に走ってきた赤毛のやつが、俺のことを指さす。
…人のこと指さすなよ。
気崩された制服のネクタイを見れば、俺と違って青だった。
……やべ、先輩じゃん。
ちらっと隣を見ても青のネクタイをしていて、ちょっと焦る。
そんな俺の焦りを知らずに、隣の青い先輩は、ん〜？と唸ってた。
『いやァ、知らない』
燐音「…はぁ？」
『けど、いいやつだよ。俺と話してくれたしな〜』
よっと！とベンチから立ち上がった先輩は、ブレザーに袖を通さず肩にかけてるだけだった。
風が吹いて、ブレザーが揺れる。
それと同じように、適当に括られたターコイズブルーの髪が子気味よく泳いだ。
『んじゃな、知らん1年』
青い先輩はそう言うと、まだ状況が理解出来てなさそうな赤毛の人を置いて歩き出そうとする。
その背中に、俺は思わず声をかけていた。
零「あのっ…」
『うん？』
青い先輩が立ち止まって、俺を振り返る。
じっと色素の薄い目に見つめられて、何をしようとしたのかを瞬間的に忘れた。
不思議そうに小首を傾げて、なんだよ、と俺を促すその先輩に、俺は思った。
この人なら、俺に道をくれるのかなって。
零「…俺、朔間零、です」
『おー、そっか！お前、やっぱり良い奴だな、零』
自己紹介出来るなんて偉い偉い、と俺の頭をぽんぽんと撫でる青い先輩は、満足そうに何度も頷いてた。
『俺は猫屋敷A。んじゃな、零！おら、行くぞ燐音』
燐音「え、あ、おい待てってA！」
先輩が赤毛の人を連れて、今度こそ歩いていく。
零「…猫屋敷、A…先輩」
今まで、俺の元に集まってくるのは信者じみた訳の分からん人たちや坊主しか居なかった。
だからか分からないが、基本的には敬語を使わなくても済む場合が多い。
それに、あんな意味の分からん信者たちに敬語なんか使いたくね〜し。
…だから、初めて。
初めて俺は、俺の道標になる人を見つけたんだ。
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魚(プロフ) - ぬんさん» こちらこそありがとうございます！頑張ります！ (2021年9月13日 9時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 羊の王さん» ありがとうございます！頑張りますね☆ (2021年9月13日 9時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - みんとぅすさん» ありがとうございます！更新頻度は遅めかも知れませんが、頑張ります！ (2021年9月13日 9時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
ぬん - 新作助かります！ありがとうございます！！！！！ (2021年9月12日 15時) (レス) id: 8fd0aff687 (このIDを非表示/違反報告)
羊の王(プロフ) - 大蛇でも面白いのに次の新作がもしもの世界とは…凄い…更新頑張ってください (2021年9月10日 21時) (レス) id: ec6c1dbb5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年9月10日 17時
