《12》 ページ24
Aside
零がおらんからって塞ぎ込んどる凛月を寝かせて、またふらふらと校内を歩き回っとる時やった。
？「君！」
低くて少し特徴のある声。
周りには俺しかおらんから、きっと俺を呼んどるんやろう。
…ふと気になった。
誰も視界に入れんかった俺を見つけたやつはどんなやつなんやろって。
幽霊みたいに学院をさ迷っとった俺を見つけてくれたやつはどんなやつなんやろって。
そんな好奇心に負けて振り向けば、赤いネクタイをしたやつが立っとった。
桃色の短い髪をした1年。
濃い青というか紫というか…なんやろ、青に近い紫？わからんけど…
でも、そんな澄んだ瞳のやつが、俺を見つめとった。
『……………なに』
久方ぶりに凛月以外と交わした言葉がこんなぶっきらぼうでええんやろか、と思う。
けど、そんな事を考える前に、俺は唖然としてしまったんや。
だって、その桃色の1年が…目の前で跪いたんやから。
『…な、にして…』
？「僕は君のような人を探していたのだよ！是非僕とユニットを組んでくれないだろうか」
跪いたまま俺の手を取って、じっと見つめられる。
さながらプロポーズみたいや。
けど、どうしても頷けなかった。
だって俺には…
『…いや、俺は＿＿＿』
俺には、零がおるもん…
…もう、会えへんのかもしれんけど。
？「君でなければならないのだよ！」
それでも食い下がってくる1年のその言葉に、胸が鳴った。
恋に落ちたとかそんなんと違うけど、その言葉がほんの少し嬉しかった。
じわじわと体温が戻ってきたような感じがしたんや。
"君でなければならない"
その言葉が、どうしても嬉しくて仕方がなかった。
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魚(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！！はわわわわわっ…嬉しいです…！これからも頑張った更新しますので、よろしくお願いします！ (2021年6月28日 21時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
永久 - 続編ありがとうございます！そしていつも最高の作品をありがとうございます！最近ノスタルジアや崇拝も読ませていただき、ますます魚さんの作品が楽しみになりました！ (2021年6月26日 14時) (レス) id: 8eb18355f8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ねこまるさん» わぁ…！前作、前々作ともにありがとうございます！頑張って更新していきますね！ (2021年6月21日 12時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる - 続編ー！嬉しいです！夢主君尊い…。崇拝もノスタルジアも読ませて頂いていました。どちらも私の好きな作品のひとつです! (2021年6月20日 14時) (レス) id: ccf2dbd148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年6月20日 12時
